イタリアの旅(2)
■日程:2005年10月11日〜18日
■旅行社:JTB ツアー:30名
■行程
  第1日:関空10/11 11:00→(フィンエア)→ヘルシンキ(乗継)→(フィンエア)→ミラノ10/11 18:30
第2日:ミラノ→ベローナ
  第3日:ベネティア
  第4日:フィレンツエ→ピサ→アッシジ
  第5日:バチカン→ローマ
  第6日:ナポリ→カプリ島
  第7日:ローマ10/17 9:30→(アリタリア航空)→パリ(乗継)→(エアフランス)→ヘルシンキ(乗継)
       →(フィンエア)→関空10/18 8:40

第2日 2005.10.12

ミラノ
1.ミラノのホテル
 ミラノ郊外のホテルは、高層アパート風で、いたって簡素だ。朝食もコンチネンタルで、クロワッサンにコーヒー、ジュース、サラダ程度だ。イタリア人は通勤途上でBAR(バール)というコーヒースタンドで朝食を済ませるという。

 北緯45度30分のミラノの日の出は7時30分。明け方は冷え込み、ホテル周辺は放射霧に包まれる。気温は5,6度といったところか、吐く息が白い。南欧とは言え、緯度は日本の北端、宗谷岬に相当する。

2.交通事情
 今日から5日間、貸し切りバスの旅が始まる。まだ放射霧の残る郊外から30分でミラノ市街に入る。
 中心部は信号だらけの石畳の道で、その上を市電、路線バス、4輪、2輪車が走る。歩道側の車線は不法駐車場と化し、たちまち渋滞に巻き込まれる。渋滞といっても走り出すと結構スピードがあり、僅かの隙間に車が割り込み、そのたびにバスが急停車、急発進を繰り返す。
 阪神高速環状線の比ではない。イタリアへ赴任した日本人ドライバーは怖くてなかなか運転できないそうだ。この荒っぽい運転にとうとう車酔いする。隣のお姉さまも気分が悪いという。先が思いやられる。
 ミラノの市街地は1階が店舗、2階が住居といったアパートが多い。名所旧跡を除けば、落書きなども多く、雑然としていて決してきれいな街とは言えない
3.ミニカー
 割り込んでくる車に、2人乗りのかわいい車がある。ツアー客で、外車販売店に勤務する新婚夫婦によれば、ベンツ車「スマート」といい、日本でも販売しているという。

 道路事情が悪く、ガソリン代の高い(180円/L)イタリアでは、圧倒的に小型車が多い。

全長2.5m 排気量700cc、燃費20Kmの「スマート」は、そのコロコロした感じが、古都の石畳によく似合う。今イタリアで人気上昇中だそうだ。
4.スホルト城
 ミラノ最初の観光はスホルト城です。イタリアでは、ガイド資格を持ったイタリア人のみにガイドが許される。添乗員はそれを通訳して我々に説明する。全員が配付されたイヤホンレシーバー(ソニー製)を耳につける。ガーガーピーピーと雑音が多く、聞き取りにくい。
 ミラノの支配者ヴィスコンチィ家の居城として建てられ、15世紀に次の支配者スホルト家が城塞として改築した。レオナルドダビンチも建築に参加し、城内美術館にはダビンチ作の天井画やミケランジェロ未完の遺作「ピエタ像」が展示されています、とガイド氏。
 ミラノの支配者の誰といわれても、イタリアの歴史はよくわからない。外国人に向かって、大阪城を築いた豊臣秀吉は…と言っている様なものである。古城の雰囲気から当時をしのぶ。以降、天才ダビンチやミケランジェロの係る作品名が次々と出てくるが、こちらも同様、美術に疎い私にはただただ感嘆するのみである。
5.ガレリア
 ミラノの中心地はダビンチ像のあるスカラ広場です。ここにオペラで有名なスカラ座がある。広場に続くアーケードは、商店街の元祖と呼ばれ、1877年に完成したビットリオ・エマヌエーレ2世のガレリア。

 各種商店、レストラン、カフェ、書店等が軒を列ね、賑わっている。アーチ型のガラス天井で覆われており、天井周辺の絵画、歩道のモザイク模様がすばらしい。天井の絵画はどうやって描いたのだろうか、命がけだ。

 アーケード中央部の歩道にモザイク画の雄牛が描かれている。牛の急所にヒールを置いてターンすると幸運に恵まれるというので、ご婦人方が次々と・・・。痛たたたた・・・。思わず、自分の股間を抑える。

6.ドウオ-モ
 大聖堂のことで、ミラノばかりでなく主要な都市にあるから何処だったか後でこんがらかってしまう。ガレリアを通り抜けていくと、正面にたくさんの鋭い塔を持つ建物が見えてくる。

 ミラノのドウオモは、1386年から500年の歳月をかけて完成したゴシック建築の傑作。屋根は135本の尖塔と2245体の彫像で飾られている。白大理石の外観は迫力たっぷりで、内部は奥行き148mに達し、ステンドグラスが幻想的です。

 現在、外壁の一部が修理中で、その全貌は見ることができませんでした。

7.ドウオ-モ広場
 イタリア旅行といえばスリで有名です。日本人観光客は格好のカモになっているようだ。ネットを見ても被害のオンパレードである。恐れをなし、今回は初めて首からぶら下げるパスポート入れを準備した。

 添乗員は、ことあるごとに注意を喚起する。イタリア人ガイドは、スリの監視役といったところか。一通りしゃべり終わるとSPのごとく鋭い目つきでツアー客の身辺を監視している。聞いた話だが、常連のスリはわかっているのだそうだ。そういう意味では、団体行動中は安全といってよい。危ないのは自由行動タイムだ。

 我がツアーでは幸い誰も被害に遭うことがなかったが、同じJTBツアーで後発した友人のグループに被害が出たと後で聞く。
8.ドウオ-モ内部
 屋上に上がれば、塔や彫像を間近に見ることができるとのことですが、我がツアーはドウオモの中に入るだけです。

 ドゥオモの内部はアーチ型になっており、直径2.5mもある何本もの太い柱に支えられている。55のステンドグラスには、聖書の一節がいきいきと表現されている。また天井の一点の穴から床に差し込む光が日時計となっている。
ベローナ
9.ベローナ
 ミラノを後に、ベローナに向かう。ここは「ロメオとジュリエット」の舞台となった街で、古代ローマの遺跡や中世の城や教会が点在し、街すべてが世界遺産である。

 ここから北へ伸びる街道は、アルプス越えの峠の中で最も標高が低いため、古くから戦略上のポイントとして歴史に登場する。

 昔、オーストリア軍がイタリア北部まで攻めてきたときに、べローナの勇士が守りぬいたという古城が、アルプスから流れ出る清流にかかる橋から望まれる。まるで絵に描いたような風景だ。
10.シニョーリ広場
 シニョーリ広場には、この町に長く滞在したダビンチの像が建ち、テント張りの土産物屋や果物屋が賑やかに並ぶ。シニョーリとは、ルネッサン期の領主という意味で格調が高い広場だそうです。似顔絵書きが、モデルの目から描き始めていました。


11.ロミオとジュリエット
 ベローナはシェークスピアのロミオとジュリエットの舞台となったところです。ジュリエットの生家といわれ、蔦がからまるバルコニーに囲まれた中庭には、ジュリエットの像が立てられている。

 その右の乳房を撫でると、素敵な恋人に巡り合えると言われていて、観光客が次々に撫でて行きます。おかげで右の乳房はテカテカに光り輝いている。
12.落書き
 ジュリエットの生家への入口の壁には、ずらりと公衆電話が並んでいる。デザインもお国柄を表しユニークだが、壁いっぱいの落書きも見事なものだ。ジュリエットにあやかりたいのだろう。これも世界遺産?
イタリアの市街地は落書きが非常に多い。


13.アレーナ(円形劇場)
 ベローナ中心部のブラ広場。1世紀末にたてられた円形劇場は、ヨーロッパのあちこちにのこる古代ローマの円形劇場の中でも最大級のもので、当時2万2千人が収容できた。

 ローマにもコロセウムがあるが、ベローナの方が保存状態もよく、今でも演劇祭が開かれる夏にはオペラが上演される。 補修工事中で、横を通り抜けただけだが、世界遺産の維持は大変のようだ。

14.リンデンバウム
 ベローナの円形劇場の前のブラ広場を通り抜けると、街を囲むように城壁が続く。城壁に沿う車道の街路樹はリンデンバウム(セイヨウボダイジュ)とのこと。

 シナノキ科の落葉高木で葉はハート形で先がとがる。すでに落葉が始まっている。シューベルト作曲の「菩提樹」はこの木のことだそうです。

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