霧氷の高見山
UP 2015.2.12HRY
■日時:2015.2.7(土) 晴れ
■山名:高見山(1248.4m)
■場所:奈良県東吉野村
■参加者:MNC 山歩会7名
■交通・登山コース
・近鉄鶴橋駅(7:17)…榛原駅(8:02)…榛原駅前バス停(8:25)…奈良交通バス…高見登山口バス停(9:05)
・杉谷登山口(9:20)→雲母曲(10:10)→小峠(10:40)→平野・杉谷分岐(11:10)→国見岩(11:40)→笛吹岩(12:05)→高見山山頂(12:25〜13:00)→平野・杉谷分岐
 (13:55)→高見杉(14:40)→平野たかすみ温泉(15:45)
・たかすみ温泉バス停(15:55)…奈良交通バス…榛原駅バス停 (16:35)…近鉄榛原駅(16:43)…鶴橋駅(17:35)
      歩行9.5km 6時間30分(休憩含む)
Route Map 案内図

<木津付近から見た高見山、バス車窓より>
台高山脈の北端 奈良・三重県境に位置する高見山はピラミダルで美しい山容から関西のマッターホルンと呼ばれています。冬期は霧氷の名所として有名です。2015年2月7日(土)のMNC山歩会は絶好のコンディションに恵まれ、霧氷・霧氷・霧氷の感動的な山歩きになりました。
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「霧氷バス」
 朝8時の榛原駅は土日祝日のみ運行の高見山、三峰山行き奈良交通霧氷バスに乗るハイカーでごった返していた。しかし、座席定員に達すると何台でも増発するからありがたい。次々とバスがやってきてはハイカーを吸収していく。乗務員の手さばきも慣れたもの、乗客に登山案内パンフレットを配り、お土産(吉野スギの割り箸とたかすみ温泉入浴割引券)を渡す。我々が乗車したのは高見山行の2台目だが少なくとも4台は運行されたと思う。
 天気快晴、車窓に霜で真っ白の田畑を見ながら杉谷の高見山登山口へ向かう。路上の気温は-3℃を表示している。木津トンネルを抜けた一瞬バスのフロントガラス越しに高見山の姿が見えた。すかさずカメラのシャッターを押す。トップ写真である。運転手が気を利かせて一停車することもあるらしいが、今日はスピードを上げて通過した。後にも先にもこのポイント以外、高見山の全貌を拝するところはなかったのである。約50分で高見山登山口に到着する。トイレを済ませ、身支度を整え、軽くストレッチングする。スタートしたのは20分遅れ、同じバス乗車組の最後だろう。

榛原駅 霧氷号乗車

高見山登山口バス停

民家の入口と間違いそうな登山口(標高470m)
「杉谷〜小峠」
民家の入口と間違いそうな登山口(標高470m)である。吉野スギの林を緩やかに登っていく。石畳の道は古道を思わせる。案内板によれば、この道は旧伊勢南街道であったという。今は近畿自然歩道となっている。標高550mを越えたあたりから周囲に雪が現れる。雲母曲(きららひじ)(710m)を過ぎると登山道も雪に覆われはじめ、標高740mの崩落地手前でアイゼンを装着する。登山口から1時間20分で小峠到着。スタートは遅れたがほぼ予定のペースである。小峠(820m)で車道と交差する。東は伊勢南街道で大峠(高見峠)へ続き、西は林道で行き止まりとなる。案内図の登山コースは大峠まわりだが、道が崩壊して通行止めのため、今日は鳥居をくぐって、石段の道を登る。

旧伊勢南街道

雲母曲(きららひじ 標高710m)

アイゼン装着地(標高740m)

小峠 高見山登山口(標高820m)
「小峠〜高見山」
 小峠から平野・杉谷分岐ピーク(950m)までが本日一番の難所。標高差130m、平均斜度31°激登りの道である。途中で休息しながら約30分で登りきる。平野から登ってくるハイカー、すでに帰ってくるハイカーが交差する。この辺り、積もった雪の重みで樹がしなだれかかる。雪もやわらかくアイゼンもいらないくらいだ。標高1000mを越えてきた。枝葉に積もる雪が横方向となり、丸々太ったエビのしっぽ状になってきた。幹にもエビのしっぽが突き出す。国見岩1050m〜息子岩〜揺岩〜笛吹岩1090mは霧氷のトンネルだ。笛吹岩から頂上にかけては東西の展望が開け、斜面の霧氷が青空に映える。カメラ、カメラの放列で歩みがとまる。頂上直下から振り返る尾根は霧氷に輝く。

小峠〜平野・杉谷分岐までの登り

平野・杉谷分岐

エビのしっぽ始まる標高1000m付近

国見岩(1050m)

揺(ゆるぎ)岩(1100m)

笛吹岩付近(1190m)

笛吹岩展望地から台高・大峰の山々

霧氷の間に覗く兜岳、鎧岳
「高見山山頂」
 頂上小屋が見えてきた。まわりは人、人、人、でいっぱい、迷子になりそうだ。昼飯を食べる場所を探す。高角(たかづの)神社裏の三角点(1248.4m)横に何とかスペースを確保する。北向き斜面で風が強かったらとても食事どこではないが、幸い穏やかな日和で、温度計は+5℃を示している。正面に三峰山を眺めながら至福のひとときを過ごす。次から次へとやってくるハイカーに場所を開けねばならず、早々に引き揚げて高見山碑の前で記念写真を撮る。順番待ちだ。次の人がシャッターを押してくれる。小屋の屋上に上がっててみても360°ハイカーの頭である。

山頂小屋

山頂小屋を背景に

高角神社裏の高見山三角点(1248.4m)

山頂で記念写真
「霧氷の風景」

頂上直下南の展望(小屋屋上から)

成長したエビのしっぽ(西斜面)

写真撮影で混雑の頂上付近

笛吹岩付近の尾根道で(直後に落雪)
「高見山〜平野」
 再び霧氷を観察しながら、杉谷・平野分岐まで下山する。気温が上がってきたのか、樹木からの落雪が多くなる。うっかり立ち木を掴めない。集合写真を撮影中にも首筋にドサッと落雪で悲鳴が上がる。尾根上には登り、下りで別の道がつけられている。しかし、下りはあまり踏み固められていないのでアイゼンが効かずズルズル滑る。 積雪は50cmぐらいある。
 分岐まで降りてきた。団体が次々と追い抜いていく。バスは15:00と16:00発の2本だけなので急ぐのだろう。我々は16:00なので余裕がある。分岐から平野への下りは吉野スギの樹林帯を縫う。まだ道に雪が残るが標高750m付近の沢でアイゼンを脱ぐ。少し早かったようで高見杉(720m)までに2人が仰向けにひっくり返る。樹齢700年のスギはご神木となっている。横に山小屋が立つ。
 谷川をいくつか渡るが、鉄製メッシュの橋はストックやアイゼンを引っかけやすいので注意が必要である。標高650m付近で雪が消えて、丸太階段の道となる。杉林の中同じ風景が続き、結構時間がかかる。ひざががくがくする。腰が痛い。15:00を回り、16:00のバスに間に合うか気が焦る。タクシは¥7000かかると榛原駅前の運転手に電話番号を教えてもらっている。メンバーの一人はタクシーを覚悟したとあとで聞く。

高見杉(標高720m)

吉野スギの渓谷を下る

延々と続く丸太階段
砂防堰堤を過ぎて平野の民家が見てきた。赤い橋はたかすみ温泉の「丹ノ浦橋」だ。あと100mでバス停の看板を見てやっと安堵する。それでも15:45である。頂上を出発して丁度3時間である。温泉に入るどころではない。あわててトイレを済ませ、茶店で缶ビールを買い込み待機していたバスに乗り込む。定員になると16:00を待たずにバスは発車した。(了)

たかすみ温泉 丹ノ浦橋

平野・たかすみ温泉(標高470m)
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文・写真/平山

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