up 2015.8.6HRY
能勢 キツネノカミソリ群生の妙見山
初谷渓谷〜新滝道
◇日時:2015.7.27(月) 曇り
◇行先:大阪府能勢町 能勢妙見山(660m)
     2.5万地形図 妙見山
◇同行者:MNC山歩会16名(男9、女7)
行程:約10.5km
妙見口駅9:45→奥橋→(初谷渓谷)→車道出合12:05→妙見山(12:45〜13:30)→(新滝道)→ケ-ブル黒川駅14:50〜妙見口駅15:15
地図はこちら

≪初谷渓谷のキツネノカミソリ≫
キツネノカミソリ群生する初谷渓谷を遡り妙見山へ登る。昨年(2014年)の台風や大雨による土石流の跡も生々しく、沢も荒れてはいたが、キツネのカミソリは健在であった。
「妙見口駅」
 キツネノカミソリと言えば茨木車作りの森が有名だが数年前から鹿の食害で壊滅状態となった。妙見山に群生しているとの情報を得て仲間を募ったところ予定を上回る16名が参加することになった。連日の猛暑は今日だけはお預けで、曇り空から涼風が吹きぬける天気だ。妙見口駅に降りると妙見ケーブルは運休ですと案内板を持った男性に声をかけられた。聞けば2日前の台風11号でケーブル線路の土手が崩落して、今夏復旧の見込みなしとのこと。初谷渓谷も増水で危険だと。これは困ったことになった。行くところまで行ってダメなら引き返すしかないと覚悟を決める。帰りの反省会と思っていた駅前商店はお休みだ。

妙見口駅で
「初谷渓谷」
 車道の信号交差点を渡る。道標があり初谷川の案内版もかかっている。山頂まで5.9km。奥橋を渡ると渓谷に入る。すぐに大阪みどりの100選の標柱があり、トーテムポールが立ち並んでいる。木陰を渡る風が気持ちいい。早くも対岸(左岸)にキツネノカミソリが見える。時期が早いのではとの心配もなくなる。右岸の河原にもぼちぼちと現れ始める。隊列は乱れ観察モードになってきた。皆で寄り添って観察しているのはウバユリだ。

大阪みどりの100選

トーテムポール対岸のキツネノカミソリ

右岸のキツネノカミソリ
 右岸を緩やかに遡って行くが崩落地が目立つようになってきた。昨年の台風禍の修復工事もまだまだだ。路上にマムシ!工事の車に轢かれたらしいが触れると向かってくる。スタートから1時間、渓谷のほぼ中間点に達する。気が付けば救難地点を表す番号表示が200m間隔ぐらいにずっと続いている。No.1からの番号なのでどこまで続くか分からない。丁石表示のように反対なら残りがわかってペース配分できるのだが。(最終は車道出合のNo.21であった)

 右岸を辿ってきた道はやがて行き止まり、対岸に流れを渡らなければならない。2,3mの流れだが足を濡らすまいと飛び石を探す。足首まで濡れる覚悟ならなんともないが、どうしても濡らしたくない。転倒したら骨折の危険もある。ワイのワイの言いながら皆で助け合って全員クリアする。これが最初の渡渉で、以降数回の渡渉を繰り返すこととなった(ガイドブックでは13回とある)。

 相変わらずキツネノカミソリは河原に、ガレ地の急斜面に、健在である。標高400m前後が最も多かったと思う。やがて流れが細くなり、マツ、ヒノキの林を急登すると車道出合(No21標高530m)だった。

崩落地の植林(コナラ?クヌギ?の幼木)

最初の渡渉点

渡渉を繰り返す

渓流のキツネノカミソリ@

渓流のキツネノカミソリA

最後の渡渉 No.20地点

車道への登り

車道出合 No.21地点
「妙見山上」
 予定よりも50分遅れで、すでにお昼の時間。大休止と思ったがあとわずか400mということで昼食前に頂上まで行くことになった。しかし、僅かと言っても100m以上の急登。これが裏目に出て、一人の女性がダウン、続いて私もダウン。皆に遅れをとってしまった。
 妙見山へは裏参道から入ることになる。郵便局前を通って境内へ。本殿にお参りして、兵庫県と大阪府の境界の山門を潜ったところの小広場ベンチで昼食とする。スタートしてから3時間を経過していた(標準時間2時間)。食欲なしも、差し入れの梅干しとキュウリで元気を回復する。眼下に大阪湾の展望が広がり、涼風が吹き抜け気持ちいい。気温26℃であった。信徒会館「星嶺」は縁日だけ開くようである。本日は閉鎖している。山門で集合写真を撮影し、ブナ林、三角点はパスして茶店の並ぶ参道を下る。参拝者の影はほとんどない。

車道から分れて旧道を登る あと400mがきつい

裏参道の鳥居

裏山門

妙見宮山門で集合写真

拝殿(左側)

妙見宮境内

涼風吹き抜けるベンチで遅い昼食

信徒会館「星嶺」

表参道
「新滝道」
 予定通り新滝道を下る。妙見山へは5本の登山道があるが、この道は明治、大正の頃に栄えた旧参道で妙見宮までは最も近い。道標ではケーブル下駅まで1.8kmとなっている。石段を下ると「御山二丁」の石碑がある。数は少ないもののキツネノカミソリも見受けられる。廃屋は茶店の跡だろう。舗装の道はやがて地道に変わり、黒川の渓流に沿って下って行く。諸処に苔むした石仏が並ぶ。再び舗装の道となり雄滝行場の鳥居を潜る。次いで白滝稲荷神社の鳥居があり、下に立派な社殿が見える。しかし裏山の崩落で間一髪で助かった形跡がある。これより16丁の大きな鳥居を潜ると間もなく登山口のケーブル黒川駅である。古道然としてなかなか趣のある登山道であった。ケーブル黒川駅から妙見口駅までバス便はあるが歩いたほうが早そうだ。

新滝道下山道、これより1.8km

御山二丁の丁石(大正八年) 路傍にキツネノカミソリ

廃屋となった茶店

黒川の渓谷沿いを下る

苔むした石仏群

雄滝行場

白滝稲荷神社、石段下には立派な社殿

新滝道登山口の大鳥居 これより16丁

今夏運行中止のケーブル(黒川駅)

熱中症に気をつけろと言った本人が不覚をとった山歩きとなってしまった。渓谷の道といっても油断ならない。川西能勢口駅のSイタリア料理店でビ―ルとワインで反省会。

-初谷渓谷の出会い-


ハグロソウ

ミズタビラコ

マツカゼソウ

クズ

ウバユリ

ゴマギ

オニユリ

ヤマアジサイ

オオキツネノカミソリ

ノカンゾウ(吉川で)

シロダモ

マタタビ

エゴノキ

イヌザクラ

オニグルミ

カラスアゲハ給水中

カラスヘビ

マムシ

トノサマガエル

シュノーゲルアオガエル?
生き物写真:N、K氏

関連ページ:キツネノカミソリを見に行こう(茨木車作りの森〜阿武山) 2012.8.18

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