up 2015.9.15やまぼうし
 武庫川 武田尾から宝塚を歩く
JR武田尾駅〜武庫川渓谷(廃線跡)〜生瀬〜宝塚駅
◇日時:2015.9.12(土)晴
◇行先:武庫川(武田尾から宝塚)
◇同行者:武庫川エコハイク102名
行程:
JR武田尾駅10:00→武田尾橋10:10→廃線跡入口10:40→親水広場11:00→武庫川第2橋梁11:30→北山第1トンネル(12:15〜昼〜13:00)ー武庫川水管橋13:15→生瀬駅13:45→浄橋寺14:05→生瀬水管橋14:25→阪急宝塚駅14:45          歩行約10km
地図はこちら

「武田尾駅」
 武庫川エコハイク「道場から宝塚まで」の予定が、道場生野地区の新名神工事のダンプ往来激しく危険なため、急遽「武田尾から宝塚まで」に変更となった。秋の行楽シーズン到来のためか、あるいは道場〜武田尾を歩くのが魅力だったのか、健脚向きコースにもかかわらず100名を越える参加者が武田尾駅に集合した。
 少し時間に余裕ができたので、今日は武田尾橋を回ってから廃線跡に入ることにした。左岸を上流に向かう。こちらも廃線跡である。石垣のヨコグラノキ、ツメレンゲが珍しい。潜るトンネルは「草山トンネル」というが、途中の横穴から武田尾橋に出る。直進は閉鎖しているが、出口は武田尾温泉旧紅葉館の先である。武田尾橋は2004年(平成16年)9月の台風で流失し、その後付け替えられたものである。右岸を下り、福知山線武田尾駅の高架を潜る。昨年8月の豪雨か、または今年7月の台風11号のためか、擁壁の背丈を越える位置にたくさんの流下ゴミが引っかかっている。

@武田尾駅スタート102名

A草山トンネル

B武田尾橋
温泉橋を左岸に渡る。旧武田尾駅前にあった商店や住宅は最近の台風や豪雨でたびたび冠水してきた。現在は嵩上げ工事のため建物は撤去され、更地となっている。また道路を挟んだ山側は砂防堰堤など防災工事が行われていて、昔あったポンプ井戸や馳渡山への登山道はもうなくなっている。

C武庫川右岸を歩く 福知山線鉄橋と水管橋(千刈導水路第一水道橋)

D温泉橋から旧武田尾駅前の嵩上げ工事現場を見る

E旧武田尾駅前の治山工事現場(ポンプ井戸があったところ)
「武庫川渓谷」
 僧川(ぼうさんがわ)を渡り、枕木の残る廃線跡に入る。新田川を渡り、長尾山第3トンネル91m、第2トンネル147mを抜けると桜の園入口の親水広場である。桜の園(亦楽山荘)はさくら博士笹部新太郎の演習林であったところで、現在は宝塚市の里山公園となっており、櫻守の会が整備にあたっている。しばし休憩の後、廃線跡を南下し展望広場にさしかかる。正面の長尾山第1トンネルと水管橋(千苅導水路第二水道橋)、振り返る桜の園の景観が素晴らしい。紅葉や桜の季節は絶好の撮影ポイントである。

F長尾山第2トンネル

G親水広場桜の園入口

H展望広場 長尾山第1トンネルと水管橋(千苅導水路第二水道橋)
長尾山第1トンネル307mは軌道がえぐれていて歩きにくい。洪水がトンネルを流れ枕木がほとんど流失してしまったという。洪水の様を想像するだけで恐ろしい。坑道口にはまだ枕木が積み上げらている。鉄橋だ。武庫川第2橋梁70mは廃線跡に残る唯一の鉄橋で、赤錆びたトラス構造が印象的だ。側道を渡ると次は溝尾滝トンネル149mに入る。

I長尾山第1トンネル

J武庫川第2橋梁

K橋梁部
溝尾滝トンネルを出る。轟音を立てているのは溝滝である。渓谷最大の滝といわれ、雄滝、雌滝があるが、普段は滝とはわからない流れだ。今日ばかりは違っている。かっては鮎などが昇り、生瀬駅で生まれた駅弁の淡路屋は鮎寿司を販売していたという。第2北山トンネル413mは廃線跡で最も長いトンネルである。S字にカーブしているため出入り口が見えず真っ暗闇だ。その上、抗道口付近には枕木が立てかけてあり通行危険である。出口付近からは幻の「空水の滝」が姿を見せていた。最後のトンネルは北山第1トンネル318mで南坑道口付近がダム建設予定地である。建設は凍結されたが、調査のための足場がまだ残っている。渓谷最大の高座岩が近くにある。ここで昼食とする。

L轟音を発して流れる溝滝

M北山第1トンネル 南坑道口

N高座岩とダム予定地点
渓谷は続く。行く手に武庫川を跨ぐ水管橋、その向こうに中国道が見えてくる。どんじり川、名塩川を鉄板橋で渡ると間もなく渓谷は終わりに近づく。名塩分岐を見送り、旧リバーサイド住宅地に下りる。住宅地を囲む塀が3段となっているのは武庫川の洪水で過去何度も冠水したことの証だ。2004年(平成16年)の台風23号が決定的となり、強制撤去となった。それから10余年を経て、やっと更地となった。しかし渓谷の出口で、見るからに洪水の被害に遭いそうなところに、よくも住宅建設許可を出したものだ。行政の責任は重い。水管橋も落橋して、現在の橋は再建したものである。

O名塩川鉄橋

P武庫川渓谷出口 中国道と水管橋

Q西宮武庫川水管橋と旧リバーサイド住宅の塀
「生瀬」
 水管橋を渡り、青葉台住宅に入る。長く、急な階段を登り、再び生瀬駅に向かって下って行く。本日の行程で最もきつかった。西宝橋で武庫川を渡り、国道176号線を横断して生瀬駅でトイレ休憩する。駅員さんの好意でお借りすることができた。スタートから4時間、廃線跡にはトイレがない。公式のハイキングコースではないので設置できないのである。昔のくらがり街道(西宮街道)を歩き浄橋寺に向かう。街道の面影を残すものはもうない。駅弁のあゆ寿司を販売していた淡路屋の社屋も駐車場と化している。浄橋寺は鎌倉時代、証空上人が、出会った山賊を諭し、武庫川に橋をかけ「浄橋」と名付けて橋を通る旅人の通行料(橋銭)によって生活を正したと伝えられる。橋の名前から浄橋寺とされる。隣の皇太神社では秋祭りの太鼓の練習が行われていた。

R水管橋を渡る

S生瀬西宝橋

21.浄橋寺
武庫川河畔に下る。巨大なマンションの場所は、1990年(平成2年)までウィルキンソン炭酸工場があったところで、黒い屋根、白い壁、赤い柱のエキゾチックな建物であった。今はマンション脇に記念館が建てられている。宝塚駅へは目の前の武庫川に架かる生瀬水管橋を渡るのが近道である。宝塚市の生瀬浄水場から対岸の住宅地に水道水を供給しているがその幅は人ひとりが通るのがやっと。100名余の団体が渡ろうとすると対向者に待ってもらわなければならない。2人ほどの通行者に迷惑をかけてしまった。

22.生瀬皇太神社

23.ウィルキンソン炭酸記念館

24.生瀬水管橋西詰

25.水管橋から武庫川上流を見る

26.幅60cm?の水管橋を渡る

27.水管橋から武庫川下流を見る

先日の宝塚滝めぐりで通った一後川を渡り、阪急宝塚駅に到着した。駅前広場には宝塚劇場100周年を記念する「宝塚レビューの像」が建てられたばかりだ。


28.阪急宝塚駅 宝塚レビュー像
 
記録作成に当たり「武庫川エコハイク」の資料を参考にさせていただきました。
やまぼうし

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