UP 2015.10.28 やまぼうし
大岩岳・丸山湿原
 ■日時:2015.10.12(月・祝) 晴
 ■集合:JR道場駅 9:00
 ■行先:千苅ダム〜大岩岳(384m)〜丸山湿原
       2.5万地形図 武田尾
 ■同行:MNC 10名
コースタイム:JR道場駅9:00〜千苅橋9:48〜西登山口10:35〜大岩岳(11:17〜昼〜11:52)〜東大岩岳(12:12〜12:30)〜丸山湿原(13:10〜13:22)〜風吹岩13:45〜東山橋14:30〜JR道場駅14:50(徒歩約12km)

Route Map 大岩岳全ルート

MNC有遊会の皆さんと大岩岳に登る。2010年10月以来5年振りとなる。ツメレンゲに逢うことができるでしょうか。
千苅ダム
 道場駅前に10名が集合する。ほかの数十名は日本野鳥の会のバードウォッチングの参加者のようだ。おばちゃんが黒大豆の売り込みに来たが、荷物になるので帰りにお願いする。踏切を渡り、武庫川に沿って千苅浄水場へ。先行の2人の女性が不動岩に入って行った。ここはロッククライミングのメッカである。千苅浄水場から羽束川沿いを歩くこと20分、千苅貯水場前の駐車場で軽く準備運動をする。近畿自然歩道に入って10分で千苅橋に到着する。ダムは満水のようで、高さ42m、幅106m、17門の放水路から水が流れ落ちる姿は壮観であった。

道場駅前

千苅貯水場

近畿自然歩道に入る

千苅橋で
大岩岳
 近畿自然歩道は千刈ダムへ向かいますが、大岩岳へは千苅橋を渡って羽束川を少し下ったところから山に取りつきます。フェンスを掴みながら水路脇を登りますが、谷の一部が豪雨で崩壊しているところがあります。右側に続くテープはマツタケ山入山禁止でしょう。大岩岳南登山口もテープが張ってあり、通行止めです。
一汗かいてダム湖の見下ろせる高台で小休止。一帯はアカマツ、コナラ、リョウブ、コバノミツバツツジの繁る典型的な北摂の里山です。左手にダムを垣間見ながら波豆方面に北上、途中から大岩岳西ルートへ分岐する。前山のきつい登りをこなす。大岩岳と見紛うため、ニセピークと呼ばれています。一度下って、岩場を急登すると大岩岳(384m)の山頂です。ほぼ360度の展望、六甲山、三田市街、有馬富士、羽束山、大船山など北摂の山々が連なります。眼下に蛇行する千苅ダムが見えます。

フェンス脇を登る

大岩岳南登山口はテープで通行止め

眼下に千苅水源池が覗く

大岩岳

直下の大岩を登る

大岩岳山頂で

大岩岳山頂の展望, 三田市街

羽束山、大船山が一際目立つ

東大岩岳と馬の背
東大岩岳
 2等三角点のある頂上で早い昼食をとる。12時前に出発、東大岩岳へ向かう。下りはズルズル滑る。立ち木や根っこを掴みながら慎重に降りていく。峠の5叉路を直進し、丸山湿原への分岐を右手に見て再び登る。巨岩を右から回り込むと東大岩岳(362m)である。目の前に大岩岳と千刈ダムが展望する。ザックを置いて、道なき道を下って馬ノ背に降りる。馬の背はまわりの立ち木が成長して覆いかぶさるようになり、狭苦しくなった感じである。ツメレンゲは健在であった。5年前と比べる少し減っただろうか、芽を踏みつけないように慎重に観察・写真撮影する。

東大岩岳から大岩岳を見る

立ち木が覆いかぶさってきた馬の背

ツメレンゲ健在
丸山湿原
 東大岩岳からは、一旦戻って丸山湿原へ下るのが一般的だが、今回は有志で東の尾根を下ることにする。東大岩岳は双耳峰で東側のピークに基準点がある。この地点からは眼下に丸山(325m)と丸山湿原群が一望する。随所にはげ山が見えるが、この地形が湿原を育んでいるわけである。明るく展望のいい山道は、遊歩道に合流する。但し、道標はないので遊歩道側からはここに登山道があることはわからない。湿原の入口にはいつの間にか駐車場が出来ていた。宝塚市天然記念物の指定を受けたためだろう。それまでは西谷の森公園駐車場から1km以上歩かなければならなかった。丸山西分岐で待っていた仲間と合流する。

東大岩岳基準点から丸山湿原俯瞰(中央丸山、遠方新名神工事現場)

東尾根のザレ場を下る(バックは東大岩岳)

左土手から遊歩道に合流(正面は遊歩道入口)

新設の駐車場(正面境野方面、右遊歩道入口)

丸山西分岐(正面は大岩岳・東大岩岳へ)

丸山南分岐(右は大岩岳へ)
丸山南分岐を右に見送り第3湿原の木道に入る。手すり越しにキセルアザミ、ウメバチソウ、ウメモドキを見る。案内板のある第1湿原の北分岐から東回りに視点場へ出てみる。湿原に突き出したデッキからは近くにこれという植物は見られなかった。観察には双眼鏡や望遠カメラが必須である。油が浮いている水たまりは酸化鉄とのこと。別に問題はないようだ。

第3湿原

第1湿原北分岐(案内板)

第1湿原観察デッキ 視点場
東山橋へ
 第1湿原北分岐へ戻り、西回りに歩く。西分岐で丸山湿原と分かれ、東山橋へ向かう。高圧線が道場の方向にずっと伸びている。三角点丸山281.4mが登山道脇の高台に鎮座している。知る人ぞ知るである。川下川ダムへの分岐を左に見て、森林の道を下がっていくと前方がぱっと開け、ザレ場に出る。先端が風吹き岩で、坊主頭のような岩が突き出ている。その名のように突然風が吹き出した。周囲が開け、新名神工事中の川下川橋や遠く不動岩、道場方面が見える。しばし休憩し、再び森林帯に入り込む。やがて、岩のゴロつく渓谷沿いの道となり、羽束川に架かる東山橋を渡ると往路に合流した。道場駅には黒大豆売りのおばちゃんが待ち構えていた。

丸山三角点

風吹岩への道

風吹岩

東山橋(正面は千苅浄水場)

東山橋から新名神武庫川橋と福知山線鉄橋
出会い

アキノキリンソウ

ミカエリソウ

ヤブコウジ

センブリ

ノジギク

ウメバチソウ(湿原)

キセルアザミ(湿原)

ウメモドキ(湿原)

ソヨゴ

ツメレンゲ
Mさん撮影
*丸山湿原について

丸山湿原の成立ち
丸山湿原には大小5つの湿原があります。周辺の地質は中性代に堆積した有馬層群で、凝結凝灰岩と呼ばれる凝灰岩が広く分布しています。当地の凝灰岩は風化しやすく、丸山湿原の各所には風化の進んだバッドランド地形のはげ山を多く見ます。風化した土は非常に細かい粘土に近いシルトで、雨が降ると斜面下方へと流れ出して谷底を埋め、傾斜が緩やかでシルトからなる谷底には、水が停滞して湿潤な立地が形成されることになります。シルトの層の厚さは1mになります。

植物群落
湿原中央部の表土が見える湿潤な立地には、草丈の低いイヌノハナヒゲ群集が見られ、サギソウ、トキソウ、ミミカキグサ、ミカヅキグサ、モウセンゴケなどが群落の構成種となっています。一方、土砂の堆積した過湿な立地にはヌマガヤ群落が成立し、イヌノハナヒゲ群集の周辺部や湿原内部にパッチ上に分布し、カキランやミズギボウシ、サワヒヨドリなどの背丈の高い花が見られます。また、ヌマガヤ群落のさらに外側、湿原の周辺部には、オオミズゴケのほかアカマツやイソノキ、アリマコスズなどの木本類を多く含む含むイヌツゲ群落がみられます。

生息動物
日本一小さいハッチョウトンボ、ヒメタイコウチなど湿原にだけ生息する生き物を見る

平成26年(2014年)6月に宝塚市天然記念物の指定                                                                   (案内板より)
やまぼうし

トップ表紙へ戻る     

inserted by FC2 system