UP 2015.11.2 やまぼうし
花すすきの岩湧山を歩く

<滝畑ダム〜岩湧山〜紀見峠>

 ■日時:2015.10.26(月) 晴
 ■集合:河内長野駅 8:50
 ■行先:岩湧山(897.7m)
      2.5万地形図 岩湧山
 ■同行:MNC山歩会 9名
岩湧山(いわわきさん)は大阪河内長野に位置する897mの山。秋にススキの穂が広がる様は美しく、山頂からの大阪平野、大阪湾の展望も素晴らしい。新河内長野八景、新日本100名山に選定されている。滝畑ダムから紀見峠へススキの稜線を縦走する。
コースタイム:
河内長野駅9:04・・・(南海バス)・・・滝畑ダム9:55〜登山口10:06〜カキザコ10:42〜稜線鉄塔11:45〜ススキ原12:05〜岩湧山(12:26〜昼〜13:00)〜五ツ辻13:41〜三合目14:28〜越ヶ滝分岐15:05〜紀見峠駅15:38

Route Map(約12km)

滝畑ダム
 河内長野駅発滝畑ダム行きの南海バスは満員。おまけに遠足の幼児が乗ってきた。次は11時まで便がない。バスは大和川支流の石川を遡り、50分かかって標高280mの滝畑ダムに到着する。森と湖の美しいここは河内長野の観光スポットで、ダム周辺には遊歩道が整備され、キャンプ場や観光レストランがある。また滝畑四十八滝めぐりや槇尾山登山コースもある。岩湧山登山口は観光レストランの裏手にある。トイレを済ませ、思い思いに準備運動して登りにかかる。岩湧山まで4kmの道標があり、ダイヤモンドトレイルとなっている。いきなりの岩ゴロと丸太階段の急登である。スギ・ヒノキや自然林の中で展望はほとんどない。カキザコ(標高450m)から稜線(750m)に至るまでは長くつらい。ただ、木漏れ日の道は疲れを癒してくれる。途中、もう降りてくる若者に出会う。1時間半で頂上に着いたという。我々はまだ稜線にも達しない。

ダムサイトの観光レストラン

登山口はトイレ横

急登して一息つく

カキザコから稜線に向かう

木の根道

丸太階段が続く

木漏れ日の美しい林
ススキが原
 登山口からおよそ1時間40分、稜線に出てきた。送電線鉄塔下から西〜北の展望が広がる。天気快晴。眼下に大阪平野が、白く光るのはPLの搭だ。大阪湾はスモッグに霞む。しばし休息し、展望を楽しむ。再び林の道に入り、抜け出ると眼前にススキの草原が広がった。木段が丘の上までズーっと続いている。丘を越えるとまた丘だ。真っ青な空にススキの穂が揺れる。逆光に輝く姿が美しい。登山道脇、背の高いアザミのように見えたのがハバヤマボクチ。”山野草を保護しましょう”という看板にその絵が書かれている。ボクチとは、火打石を打って火花を飛ばし、それを綿毛に移しとって火種にした時に使う綿毛のこと。火口と書く。Mさんの解説である。すでに満開を過ぎてはいる。背丈を越えるススキを縫うように木段の道が続く。山頂に到着する。登山口から2時間20分かかった。予定のシニアタイムより10分遅れだから良しとしよう。ススキに囲まれた広場で昼食を摂る。

稜線鉄塔下からの大阪平野の展望

林を抜けると眼前にススキの草原が広がる

登山道の休憩ベンチ

ハバヤマボクチ

背丈を越えるススキの道が山頂へ続く(背景:三国山、関空)

山上広場

山上広場から大阪平野の展望

岩湧山三角点897.7m

山頂付近のススキが原(左:金剛山、遠景は高見山、台高山地)
稜線
 2等三角点のある最高峰(897.7m)は山上広場から東の丘の上にあった。行く手はるかにピラミダルな山容は高見山のようだ。台高・大峰山系までが見える。振り返れば和泉山地が、レーダードームは三国山である。丘を下ったところの小屋はバイオトイレ。ススキが原はここまでで、これから先はスギ林である。岩湧寺・四季彩館への急坂の道を左に見送り、同じく「いわきの道」分岐を過ぎる。五ツ辻(754m)はなるほど五つ道が交差しているが登山道以外は廃道になっているようで通行止めしてあった。南葛城山への分岐、その他林道が交差してややこしい道を道標に従って紀見峠方面に向かう。抜きつ抜かれつのシニア四人組の1人は自然大学の修了生で、同行のKさんの同期生と聞く。世間は狭いというか、シニア自然大学OBが広く活動しているというか・・・。根古峰(749.4m)の道標を過ぎると岩湧山三合目(650m)である。

山上のバイオトイレ ススキはここまで

岩湧寺急坂道分岐

いわわきの道分岐

五ツ辻

岩湧山三合目 ダイアモンドトレイル分岐
紀見峠
 ここでダイヤモンドトレイルと別れて根古谷に向かう。林の中の道はやがてえぐれたU字溝となり、雨が降ったらそのまま水路となりそうだ。地道から舗装道路に変わる。瀬音が近づき、越ヶ滝分岐(岩湧山2合目)に下りてきた。根古谷林道に合流し、根古川を下る。やがて、紀見峠トンネルの上に出る。国民宿舎を見て里に下りると駅はすぐだった。駅前の自販機で喉を潤す。電車を待つ間、しばしの反省会である。

越ヶ滝分岐への下り

越ヶ滝分岐で林道に合流

根古川に沿って

南海紀見峠トンネル

紀見峠駅

上り、下りの悪路には閉口したが、稜線に広がるススキと大展望に満足の一日であった。GPSは歩行5時間40分、11.5kmを示していた。


岩湧山 山上広場で
*岩湧山のススキ
 岩湧山頂に広がる草原は、新河内長野八景「岩湧山頂の花すすき」として市民に親しまれています。一方で、地元では「キトラ」と呼ばれており、約300年前から滝畑の共有地として地区の人々によって代々管理されてきました。このカヤ場は、滝畑地区の茅葺民家の屋根葺き替えなどに利用するため、定期的にカヤ刈りや山焼きなどの手入れが行われてきました。近年は、地元の茅葺民家が減少するにつれて、文化財建造物の屋根葺材としても広く利用されるようになってきています。岩湧山のカヤは、背丈が長く、株の部分から穂先までまっすぐに伸びており、柔軟性に富んでいます。また、地理的に雪が少なく、十分に乾燥した状態のカヤを刈り取ることができるため、屋根葺材として適しています。現在、全国的に屋根修理用のカヤが不足しており、約7.5ヘクタールにわたって良質なカヤが生育するカヤ場は、資材の供給地として大きな期待が寄せられています。そのため、選定保存地域として選定し、積極的に育成を図ることで、文化財建造物修理用のカヤが安定的に供給できるようになるとともに、カヤ場が育む草原性の貴重な動植物を保護することが可能になると考えられます。市指定文化財。(河内長野市ホームページより)
やまぼうし

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