up 2015.12.1やまぼうし
六甲 ナガモッコク尾根から岩原山
知るべ岩~ナガモッコク尾根~岩原山~岩倉山~塩尾寺~宝塚駅
◇日時:2015.11.28(土) 晴れ
◇行先:ナガモッコク尾根、岩原山、譲葉山、岩倉山
     2.5万地形図 宝塚
◇同行者:エコハイク・スタッフ6名
行程:
宝塚駅9:20・・・知るべ岩(9:35~9:52)→ナガモック尾根取付き10:10→ナガモッコク尾根10:40→赤子谷西尾根分岐11:23→十字路11:27→巻き道迷走(11:37~11:56)→岩原山(12:02~昼~12:35)→譲葉山北峰1 13:03→北峰2 13:08→東峰13:25→岩倉山13:40→砂山権現13:55→塩尾寺14:10→宝塚駅15:05  歩行約7km
地図はこちら
武庫川エコハイク「ナガモッコク尾根から岩原山」の下見同行記である。難所は取付きからナガモッコク尾根へのガレ場の激登である。標高差60m、木の根、立ち木、ロープを掴んで這い上がる。落伍者が出ないことを祈るばかりである。
「知るべ岩」
 宝塚駅から阪急バスで15分、「知るべ岩」で下車。バスは蓬莱峡や有馬温泉へ行くハイカーでほぼ満員。12月からは9:20便がなくなり10:20便だけになる。本番で50人も参加したら乗り切れない。増便してくれるだろうか。
「知るべ岩」はバス停のある県道から太多田川へガレ場を10mほど下ったところにある。トラロープはあるものの降下は危険である。やむなく、フェンスから覗けるように障害となっている藪を刈ることにする。道路脇に案内板が出来ているが車の往来激しくゆっくり見ていられない。

知るべ岩バス停

フェンスから覗き見る知るべ岩(マウスで拡大)

道路脇の案内板(マウスで拡大)
「ナガモッコク尾根」
 万里の長城と呼ばれる蓬莱峡堰堤を渡る。太多田川と座頭谷川を跨いでいる。座頭谷川の鎧積堰堤が美しい。対岸の尼信蓬莱峡山荘から少し上流にナガモッコク尾根への取付きがある。ナガモッコク尾根といわれるのは標高250m~480mにかけて、長さは約800mである。

蓬莱峡堰堤(左手がナガモッコク尾根、手前は尼信山荘への架橋)

座頭谷川と鎧積堰堤
 取付きの標高は180m。 登り口はきれいに刈り込まれていてすぐわかる。スタッフの一人がエコハイクに備えて藪を刈り込んでくれたのである。しかし、いきなりの激登だ。足場はガレ地で木の根、立ち木、ロープをしっかり掴んで這い上がらなければならない。リュックをしっかり体に密着しないと、後へそっくりかえりそうである。背丈を越えるシダもあるが、これは大丈夫だ。こんな場所が3ヶ所ぐらいあって、ようやく標高250mの尾根に到達する。尼信山荘への導水管が破れて噴水のようになっていた。大谷方面から引き込んでいるようだ。再び急登を乗り越えると、明るい尾根(標高310m)に到着する。立ち木で展望はないが、僅かに座頭谷や船坂集落が覗くところがある。ナガモッコク尾根唯一の展望ポイントだが、10年前と比較すると樹木が伸びてしまいもう一つである。さて、ナガモッコクとはどういう意味だろう?モッコクの木はどこにも見当たらなかった。

ナガモッコク尾根取付き

ガレ場を急登

シダをかき分けて

座頭谷と船坂集落の展望
「岩原山へ」
 明るい尾根が続く。道はしっかりしていて明瞭だ。尾根の最高ポイント480mは赤子谷西尾の分岐点になっている。反対から来た場合は、より明瞭な赤子谷方面に行ってしまいそうである。目印のようなものはない。岩原山方面に進む。一度下ったところは十字路(460m)になっている。右(西)は大谷へ、左(東)は赤子谷右俣であるが、何の目印もない。岩原山への登りにかかる。すぐ左から踏跡道が合流してくる。岩原山バイパス道である。さらに登ると、左に大きく巻く道となるが、これも岩原山をバイパスして六甲縦走路に出る道だ。我々もうっかりしてこの道へ導かれてしまい、元に戻る一幕があった。20分のロスだ。岩原山はあくまで稜線を一直線に登る。熊笹が現れると頂上が近い。山頂には宝塚最高峰573mと記された木柱がケルンに立っている。周囲は、アカマツ、ソヨゴ、リョウブ、アセビなどの立ち木に囲まれ、展望はない。昼食とする。

ナガモッコク尾根の印象

岩原山頂上573m
「六甲縦走路」
 昼食後は六甲縦走路へ下る。縦走路にはNO.33の道標が立つ。ここは6叉路となっていて、岩原山頂上、岩原山バイパス道、譲葉山西峰、赤子谷右俣への道が交差する。縦走路を宝塚へ向けて歩く。縦走路は譲葉山の峰々の間を通る。南側に、西峰(555.2m)、中峰(4528.1m)、東峰(514m:国土地理院記載)、北側に北峰1(524.3m)、北峰2(526.1m)がある。内、北の2峰には磐座が存在し、古墳だという説がある。なるほど、地形図をみると前方後円墳の形をしている。清少納言の枕草子の一節に「ユズルハノ峰」として記されているという。今回は北の2峰と東峰に立ち寄ってみた。いずれも展望はないが、北峰2の磐座に、モッコクの木を発見した。詳細地図はこちら。エデンの園への分岐を過ぎて岩倉山488.4mへもご挨拶する。トレランの若者が我々を追い抜いていった。東六甲縦走路は起伏が穏やかなのでトレランに格好の場所である。

六甲縦走路NO33道標

譲葉北峰2の磐座 モッコクの木がある

譲葉東峰の基準点

岩倉山三角点
「塩尾寺~宝塚」
 縦走路を少しはずれて砂山権現がある。塩尾寺の上社で、皇位争いに敗れた仲哀天皇の皇子麛坂王(かごさかおう)が葬られているという。塩尾寺への下りはU字溝のざらざら道で滑りやすかったが、丸太階段と土砂止めを施した道に変わっていた。塩尾寺に降りてきた。相変わらず、「便所ありません」の非情な貼り紙がしてある。年間何万人と訪れるハイカーにとって六甲最高峰から宝塚駅まで全くトイレがないのはつらい。

砂山権現

整備された登山道

塩尾寺山門
参道を下る。途中、配水池の上からの展望が素晴らしい。甲子園大学を通らずに塩尾寺広場から山道を紅葉橋へ下る。塩谷川を下り、宝塚温泉泉源を対岸に見て月見橋を渡る。塩尾寺まで15丁の石柱とローソンの角を出ると宝来橋(S字橋)である。あれ!ローソンは閉鎖され、テナント募集の看板がかかっている。長い間六甲縦走路の入口のシンボルだったのに・・・。ナチュールスパのイタリアレストランも姿を消した。かつて温泉街であった武庫川右岸の通りは高層マンション街と変わってしまった。歌劇と温泉の宝塚は今や昔となってしまった。

塩尾寺参道の配水池上から宝塚市街の展望

塩谷川右岸にある宝塚温泉泉源

塩尾寺まで15丁

宝来橋南詰めの与謝野晶子の歌碑

2015.12.12武庫川エコハイクでは73名が参加、遅れた紅葉・黄葉の中を歩きました。

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