UP 2016.3.5HRY
丹生山系 ナダレ尾山・大蔵山(黒甲山)
~加古川・武庫川分水界と八多川を歩く~
神鉄大池~ナダレ尾山~大蔵山(黒甲山)~八多川~神鉄道場南口
◇日時:2016.3.2(水) 晴
◇山名:丹生山系 ナダレ尾山527.4m、大蔵山(黒甲山)452.8m
     2.5万地形図 有馬
◇同行者:なし
行程:
神鉄大池駅前9:35→(太陽と緑の道)→天下辻10:08→ナダレ尾山10:28→里山整備地11:03~裸地広場11:32~大蔵山(黒甲山)(11:57~昼~12:16)→八多霊園12:40→深谷交差点13:00→八多小中学校13:15→六甲北有料道路吉尾ランプ13:50→小名田橋14:17→神戸JCT14:52~神鉄道場南口駅15:10    歩行 約16km
地図1(大池~八多) 地図2(八多~道場) 

本コースは、2016.5.3(武庫川エコハイク下見)及び2016.6.11(武庫川エコハイク本番)にも歩いています。

「天下辻」
 神鉄大池駅で下車する。駅前を通る有馬街道の古々山峠(こごやまとうげ)345mは、武庫川と加古川の分水界である。駅前交差点を渡って急坂を登る。山に向かってすぐに大池聖天がある。住宅街を歩いていくと太陽と緑の道の案内表示が現れ、小橋を渡る。流れは武庫川水系の鎌ヶ谷川でやがて有野川に合流する。住宅の続く直進路は鎌ヶ谷から丹生山系縦走路に出る道のようである。落葉を踏みながら自然林の道をジグザグに登っていくと天下辻(450m)である。丹生山系縦走路の重要なポイントで、鰻ノ手池からナダレ尾山に続く丹生山系縦走路と、大池から屏風谷に向かう道が交差する。林の中で全く展望はないが、道標がにぎやかだ。周辺のルートは三菱雪稜会作成の屏風川概念図が詳しい。太陽と緑の道は鰻ノ手池方面に行ってしまう。「通行車両に注意」の看板はモトクロスバイクやオフロード車が通るということのようだ。

大池駅前 古々山峠(有馬街道拡幅工事中)

太陽と緑の道 小橋(鎌ヶ谷川)を渡る

ハイキングコース取付き

自然林の落葉道

天下辻

ナダレ尾山方向(多聞寺・カラト看板あり)
「ナダレ尾山」
 目指すナダレ尾山へは大池から上がってきた道を右折・北上する。丹生山系縦走路の看板があり、道幅は2mはあるが、オフロード車で掘り返された水たまりが現れる。花崗岩が風化した粘土質の土壌で、えぐられた轍のあとが水たまりとなってしまう。深さ50cm以上あるような溝が次々に現れ、延々大蔵山近くまで悩まされることとなった。ハイキング道も台無しだ。当局はこれらの車の進入を防げないのだろうか。全く遺憾である。 
ナダレ尾山への取付きを示す手製の看板に従って、踏跡道を登っていくと4等三角点(点名大池)のあるナダレ尾山頂上(527.4m)である。狭いピークはアカマツとヒサカキに囲まれ展望はない。さらに北へ下る踏跡道があるが、こちらは屏風谷に下り黒甲越東道(太陽と緑の道)に合流するようだ。今日は往路を戻り、途中から近道をして縦走路に合流した。

オフロード車にえぐられたハイキング道

ナダレ尾山取付き(左へ)

ナダレ尾山頂上527m
 雨が降ったら水路となるような道を下る。やがての分岐は鎌ヶ谷左俣を下り大池に至る道のようだ。再び登り道が続き、次の分岐は多聞寺から神鉄六甲に至るとある。関電火の用心看板を右手に見て進むと大きな分岐があり、みどり公社の里山防災林整備の看板がある。ここは左手に下って行く。直進は柳谷JCTから藤原台方面へ下るようであり、木の枝で通せんぼしてある。緩やかに上り下りを繰り返す。前方が少し開けた場所に出てくる。これまで森林の中の道だったので太陽がまぶしい。400m~500mの丘陵地で特にめぼしい山は見当たらない。左手は屏風谷、右手に時々六甲の山並みが覗く程度である。地形図を見ればわかるように、武庫川と加古川の分水界の道をずーっと歩き続けている。屏風川左俣谷沢A1へ下る分岐表示が2か所あり、三菱雪稜会の名がある。このあたりの案内板はほとんどが同会のものである。

右は鎌ヶ谷左俣へ

ハイキング道の印象

右は多聞寺・神鉄六甲へ

里山防災林整備看板で大きく左へ曲がる

明るい道
 轍が4輪車のものとなってきた。ぬかるみもモトクロスバイクからオフロード車のものである。突然裸地(ベアグランド)の広場に出てきた。ずっと北に広がっていてかなりの広さである。整地され、ベンチを置いているところもある。これは一体何だろうか?地形図には何も載っていないので帰ってから航空写真を見るとかなりの広さの裸地である。ゴルフ場の造成地?ネットでオフロード車が大集合していたという記事があった。霜解けで登山靴がドロドロになり、足が重い。脱出口を探しておろおろしたがGPSで大蔵山方向に続く道を発見した。

オフロード車にえぐられた道が続く

車道?

突然に広場へ
「大蔵山(黒甲山)」
 左手からの黒甲(くろこう)越東道が合流した。こちらが太陽と緑の道であるが、2016年3月現在土砂崩れで通行できない(神戸市)。さて、天下辻からここまでの道は何という道なのか。丹生山系縦走路の看板もナダレ尾山あたりからいつの間にかなくなってしまっていた。「分水界道」としておこう。すぐに大蔵山の取付きがあったので踏跡道を登る。ピークを越えて再び登り返したところが二等三角点(点名 附物)のある大蔵山(452.8m)であった。コナラ、リョウブ、ソヨゴに囲まれた小広場で展望はない。木の枝にぶら下がるプレートには大蔵山、黒甲山、大蔵山城址、八多小学校と記したものがある。地元では黒甲山(くろこやま)と言うようで、八多小学校の校歌に「朝(あした)にあおぐ 黒甲(くろこ)の高峯 雄々しきながめ けだかき姿」とうたわれており、遠足で登るとのこと。地域に愛されている山なのだ。これで黒甲越という意味が理解できた。また大蔵山は「おおくらやま」ではなく「だいぞうざん」と呼ぶようです。郷土史研究家によれば、この近くにあった奥蔵寺(おうぞうじ)の山号が大蔵山(だいぞうざん)であり、仏教の経典大蔵経(だいぞうきょう)に由来するとのことです。
 大蔵山からは往路の途中から谷道を下って本道に合流した。合流点のすぐ下のエメラルドグリーンの色の池が「ビクニ池」で、八多川の源流となっている。ここから有野川と合流するまで約9kmの道を歩くことになる。池の立札には、別名「手箱の池」ともいい、奥蔵寺に住んでいた尼さんが日ごろ大事にしていた玉手箱を抱えて身を投じ、「我が命尽きるまでこの池の水はかれることなし」と言い残したといわれる。現在も涸れることなく青々とした水をたたえ、神秘的である。

大蔵山取付き(左へ)

大蔵山(黒甲山)2等三角点

大蔵山のにぎやかなプレート

ビクニ池

八多川源流
「八多(はた)」
 小岩のゴロゴロ転がる道を八多川のせせらぎを耳に下って行く。古めかしい堰堤を過ぎてしばらくで里に下りてきた。八多名木イロハモミジの巨木がある。太陽と緑の道道標から先は県道73号線の舗装道路となる。六甲八多霊園の大きな看板が立っている。この霊園は大蔵山奥蔵寺跡とのことを後で知る。立寄れば良かった(2016.5.3訪問)。薪の積んである大きな農家を過ぎると、前方に田園風景が広がる。真正面は羽束山だ。振り返ると今下りてきた丹生山系黒甲山がなだらかなシルエットを描いている。

太陽と緑の道道標(黒甲越の取付き)

六甲八多霊園

八多最奥の民家

六甲八多霊園(2016.5.3)

大蔵山奥蔵寺由来(2016.5.3)

羽束山を正面に田園風景を下る

振り返ると丹生山系大蔵山の姿
「八多川」
 正面に羽束山を眺めながらルンルン気分で田園風景を下る。県道38号線(三木三田線)の深谷(ふかたに)交差点を三田方向に歩く。歩道はあるが車の往来が激しいのでダンロップゴルフコースへの道付近から八多川堤を歩くことにする。すでに三面張りの川となっていて、堤に高い柵をめぐらしてある。時々行き止まりとなる川堤の道は、八多小中学校付近で県道38号線を渡り、東側を下って行く。川幅も広がってきた。暖かな陽を浴びて、小鳥が飛び交う。ツグミ、セキレイ、ホオジロ、ジョウビタキが目に留まる。再び八多小学校の校歌登場、「夕べにすすぐ 八多の流れ ゆかしきながめ たゆまぬ姿」。八多川はふるさとの川なのだ。

県道38号線深谷交差点 左(西側)はダンロップゴルフコース

県道38号線西側を流れる八多川

八多小中学校

八多川と八多小中学校を振り返る

県道38号線東側を流下する八多川
 六甲北有料道路吉尾ランプが見えてきた。吉尾城跡の案内板がある。川を挟んだ小高い竹藪に柄杓形の曲輪や土塁がの跡が発見され、摂北軍記による1550年頃吉尾村の郷士が住んでいた館跡と考えられるとある。山垣畜産は相変わらず多くの買物客で賑わっていた。駐車場もいっぱいで、ガードマンが交通整理している。コロッケの人気が高いと従業員の話。八多川は再び38号線を小名田橋で横切り、西側を流下する。無名の川が合流してきた。刀匠国久家跡地には八多名木ムクノキがある。国久橋からは桜の堤となり山陽道に沿うように流れる。八多名木シイ、同ケヤキを過ぎて中村橋で再び県道38号線を横切り、神戸JCTの高架を潜る。新名神高速も2016年度末には竣工する。大下橋、才谷橋を渡ると神鉄道場南口である。八多川はこの先で有野川に合流する。

北六甲有料道路吉尾ランプ

県道38号線小名田橋

無名の川が合流

下小名田橋

山陽自動車道と桜並木(国久橋付近)

神戸JCTを潜る

大下橋から神戸JCT

神鉄道場南口駅

有野川との合流点、手前八多川(2016.6.11)
大池から始まって道場まで歩行16km、加古川と武庫川の分水界の山々を越え、八多川を下るという山と川の旅となった。好天に恵まれ、神戸北の自然を満喫することが出来た。
関連ページ:2016.5.3(武庫川エコハイク下見)
        2016.6.11(武庫川エコハイク本番)    

やまぼうし

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