UP 2016.4.20やまぼうし
丹波 ヒカゲツツジの向山 (水分れ公園から周回) |
水分れ公園〜観音堂〜向山三角点〜清水山〜鳳翔寺〜水分れ公園
◇日時:2016.4.18(月) 曇
◇行先:丹波市春日町 向山(569m)
2.5万地形図 柏原
◇同行者:MNC山歩会 14人
丹波向山はヒカゲツツジの名所。水分れ公園から向山連山を時計まわりに周回する。満開が例年より1週間も早かったが、ヒカゲツツジがアーチをつくって待っていてくれた。
行程:
JR宝塚0749・・・JR石生駅0907→水分れ公園・観音堂0933→二の山1000→三の山1033→四の山1052〜向山三角点(1138〜昼〜1210)→五の山1225→蛙子峰1245→珪石山分岐1303→清水山1315→剣爾山1348→天狗岩1417→鳳翔寺(1448〜1500)→水分れ公園・イソ部神社(1515〜1525)→JR石生駅(1540〜1617)・・・JR宝塚駅1750
地図はこちら(GPS)
「観音堂から」
無人駅石生を降りたのは我々一行だけ。人っ子ひとりいない町並みを歩いて10分、登山口の水分れ公園観音堂に到着。ヒカゲツツジのこの時期は1年で最もにぎわう向山だが、出会ったハイカーは1組だけ。前日の連休が最後だったかも知れない。ここから時計回りに向山連山を歩く。人間世界から野生の世界への扉を開ける。いきなり見上げるような激登りが始まる。立ち木を掴みながらゆっくりと歩むが、ぜいぜい!はあはあ!シジュウカラ、ウグイスの声に励まされる。滝山古墳、二の山(298m)で一息入れる。二の山に新しい三角点が設置されている。谷中分水界起点を経て岩座展望所へ。ここで初めて眼下に水分れ公園、対面に珪石山、清水山、剣爾山、方面が展望する。
観音堂登山口
いきなり急登
二の山三角点298m
磐座展望所から |
「出会い」
更にひと登りして三の山(470m)へ。ここを過ぎたあたり、ヒカゲツツジのお出迎えだ。満開は過ぎてしまっているが、よう待っていてくれました。亜炭展望所から四の山(511m)で標高500mを越えてくる。ヒカゲツツジの数が増す。稜線や南斜面の日当たりのいい場所はもう花びらが散りかけ、色あせて見えるが、北斜面はまだ満開を保っている。やっぱりヒカゲが好きなんだ。松の台展望所、深坂北峰(521m)とビューポイントが続く。振り返る四の山の彼方に氷上盆地を挟んで昨年登った五大山や黒井城跡が見える。
三の山470m
ヒカゲツツジのお出迎え
四の山511m
松の台の展望 五台山方面
深坂北峰付近はコバノミツバツツジと競演
山険し 日陰躑躅が 迎えをり 幸生
「ヒカゲツツジのトンネル」
深坂北峰を過ぎた辺りからヒカゲツツジのトンネルとなる。長いトンネル、短いトンネルありと圧巻だ。ツツジが岡展望所で振り返る連山は本日最高の眺めである。
行く手を塞ぐヒカゲツツジ
頭上のヒカゲツツジ
トンネルをくぐる
ツツジが丘展望所から氷上平野と二の山、三の山、四の山の展望
サワテラシ ミツバツツジと 競いをり 幸生
やがて向山三角点(569.0m)に到着する。北側が切り開かれ黒井方面が展望する。正面に見えるのは黒井城址である。少し早いが昼食とする。
向山三角点から黒井城址展望
向山三角点で |
「清水山へ」
至福のひと時を過ごし、後半の部へ出発。小雨がぱらつくが雨具をつけるほどではない。連山最高峰の五の山(591m)にかかる。標高が高いためか、この辺りのヒカゲツツジは満開を保っている。岩場を廻って蛙子峰(562m)へ、しばらくヒカゲツツジが途絶えて、スギ・ヒノキの植林帯となる。ふかふか道は足腰に優しい。譲葉山、続いて水分れ公園へ下る中央ルート分岐を見送る。巨大なくぼ地は採石の跡だろうか。しばらく赤土の道となる。再び登り返して清水山(542m)へ到着。関電の大きな反射板があり、その向うに柏原の町が広がる。新しい三角点が出来ている。足元にヒカゲツツジが現れた。
稜線に群生するミヤマシキミ
五の山
満開を保つヒカゲツツジ
蛙子峰 |
スギ・ヒノキ林を下る |
鉱山跡? |
清水山反射板 |
清水山三角点 |
「鳳翔寺へ」
激下りの道が始まる。立ち木がたよりだ。ほとんどスギ・ヒノキの植林帯で展望はなくなる。イルカ岩、博打岩、亀岩の巨岩を過ぎて剣爾山(416m)で一休みする。剣爾とは三種の神器のうち草薙の剣と勾玉だがどんな由緒があるのだろうか。切り開きから辿ってきた連山を振り返る。やはり急峻だ。よくぞここまでがんばったものだと自分をほめる。最後のヒカゲツツジに別れを告げて、再び植林の道を下る。天狗岩に突き当たる。岩場の上から柏原の町や、鳳翔寺の屋根がよく見える。もう地上は近い。再び急降下して谷に下りる。河原なのだろう、落葉の下の小石で歩きにくい。扉を開けて、野生の世界から人間世界へ戻る。もう鳳翔寺の境内だ。ツガの巨木(県下一、天然記念物)の下で汗をぬぐう。
剣爾山から向山連山を振り返る
天狗岩 |
人間世界に戻る |
鳳翔寺 |
オドリコソウ
「水分れ公園」
水分れ公園に戻ってきた。水分れは100mに満たない日本一低い分水界。公園の中央を流れる高谷川の一方は日本海(由良川)へ、他方は瀬戸内海(加古川)へ注ぐ。頼りにしていたイソ部神社境内の茶店は月曜はお休み、一度に疲れがでる。石生駅から400mも離れたコンビニで買い出し、車中の反省会となる。お疲れ様でした。
イソ部神社 |
高谷川分水点(左:瀬戸内海、右:日本海) |
水分れ公園で 向山を背景に
◇◇◇◇◇
データ ヒカゲツツジ(日陰躑躅) ツツジ科ツツジ属 常緑低木(樹高1〜2m)・互生(輪生)・単葉・不分裂葉・全縁 本州(関東以西)、四国・九州に分布。 岩尾根や岩壁に生える。別名:サワテラシ |
文・写真/平山、俳句/中村