UP 2017.6.15 HRY
播磨 加西アルプスを歩く(善防山〜笠松山)
■日時:2017.6.12(月) 天気 晴
■行先:加西アルプス 善防山(251m)、笠松山(244.4m)
     1/25000地形図 笠原
■参加者:MNC山歩会 15名(男7、女8)
播磨平野には、高御位山や小野アルプスなど200m〜300mながらアルプスといわれる岩山がある。今回は加西のミニアルプスといわれる善防山〜笠松山をシニア男女15名が縦走する。古法華自然公園のトレッキングコースとして整備されてはいるが、くさり場もあるアップダウンの岩尾根歩きはアルプスの中では最も手ごわかった。あなどるなかれ200m。

<善防山から笠松山を見る>
コースタイム:
神鉄新開地駅8:52→粟生駅10:00/10:09→(北条鉄道)→播磨下里駅10:22/10:35・・・農協前登山口10:50・・・東稜線ピーク11:10・・・(岩尾根)・・・善防山(11:45〜12:20)・・・つり橋12:40・・・(岩尾根)・・・笠松山13:25・・・(踏跡道)・・・熊野神社(権現堂)14:25・・・(参道)・・・参道口14:50・・・ぶどう畑・・・長駅15:17/15:46→(北条鉄道)→粟生駅16:02/16:10→神鉄新開地駅17:16
Route Map (歩行8.0km)
1.北条鉄道
 梅雨中休み、今日は空気も澄んでさわやかなハイキング日和だ。新開地駅にMNC山歩会シニア男女14名が集合する。神鉄粟生線でコトコト一時間余、粟生駅から1人が加わり北条鉄道で播磨下里駅へ。我が家を出てからほぼ3時間である。車が便利だが今日は北条鉄道に乗るのも楽しみの一つである。大正4年開業、国鉄から第3セクターへ、8つの駅があるが有人は北条町駅だけ。今日乗り降りする播磨下里、長駅舎は国登録有形文化財である。存続をかけて地元があの手この手で集客に努めている。いわくビール列車、七夕列車・・・。
バスの要領で後乗りの前降り、両替機に行列ができる。我々で貸し切りかと思ったら粟生駅から同年輩のシニア集団が乗り込んできたがお隣の網引駅で下車。ボランティア駅長さんが出迎えていた。子供心にかえって運転席横で草むらに続く線路の景色を楽しむ。パン工房と美人駅長で有名な法華口駅は本日お休みだった。

北条鉄道粟生駅で フラワ2000型気動車

列車内

草むらに線路が続く

ボランティア駅長さん(網引駅)
 善防山(網引〜田原間から)
播磨下里駅下車
2.東稜
 播磨下里駅で下車、駅前で軽いストレッチングをしてスタート、車道を歩き登山口を目指す。目前の山が最初に登る善防山(ぜんぼうさん)で山頂に茂る大きな樹が印象的だ。登山口は下里農協前バス停で小さな石の道標が立っている。竹藪の道が学校からの道と合流すると岩ゴロの道に変り急登するようになる。上から養護学校の子供たちが下りてきた。こんな岩山に登るとは元気だね。

車道野田池付近から見る善防山

善防山登山口

岩尾根を登る
ひと汗かいて東稜に取付く。展望が開け、前方岩尾根の続く先に善防山が、振り返ればため池と水田の播磨平野が広がる。稜線を渡る風が心地よい。善防山直下のくさり場を登ると森林帯に入る。左から砂防ダムコースの道が合流するとすぐに頂上である。麓から見える鋭鋒のようで、第2頂上の立て看板があるが、立木に囲まれて展望はない。

東稜

善防山
3.善防山
 善防山本峰(第1頂上、251m)は第2頂上の150mほど西寄りの樹林の中にあった。巨岩が転がる頂上は北側が大きく切り開かれ、丸太ベンチと展望絵図が並んでいる。播磨から丹波、北摂、六甲の山々が一望である。反対側も立木の間から瀬戸内、淡路が見える。数年前には赤松一族の山城跡の説明版だけあって、展望もない頂上であったが大きく変わっていた。少し早いが予定を変更して、ここで展望を楽しみながらの昼食とする。

東稜の登山路に咲くササユリ
 巨岩の転がる善防山頂上 善防山城縄張図(案内板より) 

<善防山頂上からの展望>


東:丹波・北摂の山々(左から西光寺山〜清水山〜千丈寺山〜大船山〜羽束山)

北:笠形山〜千ヶ峰〜篠ヶ峰 街並みは加西市北条町

南:加古川臨海部〜瀬戸内海〜淡路島

善防山頂上

笠松山を背景に
4.笠松山
 昼食後は善防山を下り、笠松山を目指す。眼下に鋭鋒を突き上げる山々と岩尾根を伝う登山路がよく見える。標高こそ200mそこそこだがアルプスと呼ぶだけのことはある。下り道はズルズル滑って歩きにくい。周回路と合流する。このあたり古法華自然公園で、古法華寺、石仏などを巡るトレッキングコースが整備されている。笠松山との境界にあるつり橋を渡ってくさりの岩場を登る。

善防山の下りから笠松山を望む

つり橋

くさり場
 
磨崖仏
岩盤の稜線を歩く。赤紫色の岩は有馬層群の凝灰岩とのこと。遠くに見える白く切り立った断崖は長石採石場である。ここで採掘された長石(おさいし)は加工しやすい凝灰岩で、古法華寺の石仏、石棺など多くの石造品を生み出している。古法華寺には石彫アトリエ館があり、断崖には磨崖仏も見える。今も建設資材の採石が続いているという。目前に笠松山が迫ってきた。直下のくさり場を登り切ると展望台のある山頂(244.4m)である。ここでも播磨、丹波、北摂、瀬戸内と360度の展望を楽しむ。

古法華寺(中央)と笠松山

笠松山直下のくさり場 背景は善防山

笠松山三角点244.4m
 
笠松山展望台
5.熊野神社(権現堂)
 さて、普通はここから古法華寺方面に引き返すことになるが、今日は縦走なので熊野神社(権現堂)へ向かう。展望台下には神社まで900mの案内版がある。一転、ほとんど人が入らないであろう踏跡道に変る。アップダウンも足元がよく見えず藪をかき分けての歩行。過去の経験があるからいいが、一人では不安な道。今までにぎやかだった女性陣も無口になる。3つ、4つのピークを越えただろうか、藪漕ぎ1時間で熊野神社(権現堂)に到着する。ずいぶん長い道のりであった。小休止。

熊野神社への稜線

藪の中にたまに出てくる熊野神社の案内板にほっとする

熊野神社(権現堂)到着 

参道を下る

ぶどう畑
6.長駅
 ここからは参道が麓に通じている。元気を取り戻したか、下りの足元は悪いがピッチが上がる。石の鳥居を過ぎ、猪よけのゲートを開けて農道に出る。ぶどう畑にさしかかる。小さいが実がなっている。手入れをしている人の話ではべりーA(種無し)とのこと。田んぼのあぜ道をたどりながら長駅に向かう。振り返る山々は緑に映え、アルプスが嘘のようである。長駅には予定より15分遅れて到着する。人っ子一人いない駅には駐輪場に数台の自転車があるだけ。駅舎に駅ナカ婚活相談所の看板が掛かっていた。喉が渇いたが、ビール販売18:00からの張り紙があった。反省会は新開地まで持ち越しとなった。

加西アルプスに見えますか(左端:善防山、中央:笠松山、右端:熊野神社) 2008.5撮影

長駅舎(国登録有形文化財)

1時間に1本の列車待ち

北条鉄道(北条町行列車)
文・写真・編集/平山
武庫ネイチャークラブ
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