UP 2018.2.15やまぼうし
百間樋川を歩く
小林駅〜武庫川新橋〜百間樋〜百間樋川〜西宮北口駅
 ■日時:2018.1.6(土) 晴
 ■場所:百間樋川(小林〜西宮北口) 2.5万地形図 宝塚
 ■参加者:武庫川エコハイクスタッフ 8名(男6、女2)


≪百間樋壁画≫
『百間樋とは今から400年ほど前こ小林の武庫川に築造された灌漑施設である。仁川の川底を人力で百間(180m)ばかり掘りぬいて、武庫川の水を段上・上大市・下大市・門戸・高木の五ケ村に灌漑用水を流していた。現在、甲武中学校の西側の用水路に残る花崗岩製の取樋に「字三拾六 高木村用水取樋」と彫られている。この五カ村の用水の後に、下流の九カ村-上瓦林・下瓦林・御代・広田・中・芝・津門・今津・西宮-に余った水を流すという条件で、五ケ村を井親(ゆおや)、九カ村を井子(ゆこ)とする井組(ゆくみ)を結成して管理している。取水堰は武庫川の仁川合流点の上流部にあり、現在の新明和工業の敷地内を貫流し、川西川から仁川の下を抜けて百間樋公園の下流が出口となっている』
ルートタイム
阪急小林駅9:30→武庫川新橋9:58〜百間樋井堰10:05〜仁川河口10:35→百間樋公園(11:05〜11:12)〜鯨池浄水場11:42〜新幹線11:52〜甲武橋西詰地下道12:07〜甲武中学12:14〜高木村用取水樋12:20〜そよかぜ大島公園(12:25〜昼〜12:50)〜大市八幡神社(13:02〜13:10)〜門戸厄神駅陸橋13:35〜西宮北口公園(13:54〜14:08)〜津門川合流14:12→ミニミニ水族館14:15→阪急西宮北口駅
歩行約12Km   Route Mapはここ
◇◇◇◇◇
下記は武庫川エコハイク「百間樋川を歩く津門川まで」の下見記録である。本番は雨の中の実施で十分案内できなかったので、本文で補完する。
「百間樋井堰」
 阪急小林駅からスタートして武庫川新橋に向かう。人ごみを避けて、中野住宅前から中津浜線を横断し、歩道のある通りを武庫川新橋西詰の美幸公園まで歩く。後は武庫川に沿って仁川河口まで一直線の道である。河川敷に遊歩道が整備されているが、視野の広い堤防上を歩くことにする。すぐに百間樋井堰があり、武庫川の水を引き込んで取水し再び川へ戻している。中央部の水門が百間樋取水口で、百間樋川となって美幸公園脇を通り、暗渠に消える。百間樋は大市庄の灌漑用水として16世紀中頃に築造されたといわれる。仁川の下100間(180m)に当初は木製樋を埋めて送水していたが、大正9(1920)年コンクリート製に変えられた。百間樋公園南側で吐き出される。県立特別支援学校の敷地内に「百間樋水路」の看板があるというが確認できなかった。対岸に天王寺川が合流し、六樋井堰を見る。

武庫川堤防上を南下する 塔は水質監視施設

百間樋取水口

百間樋川となって暗渠に消える 右美幸公園

県立特別支援学校

仁川国際霊園
「仁川」
 特別支援学校を過ぎて仁川国際霊園を見ると、仁川に行き当たる。そのまま南下すれば沈下橋を渡って武庫川河川敷を河口まで歩くことができるが、我々は堤防に沿ってUターンし、仁川に合流する川西川を遡って県道114号に出る。仁川口橋を渡ったところで百間樋の入口が見えないか探してみることにする。川西川の新明和工業との分岐近くに水門を発見したがどうもここではないらしい。元の仁川に戻り、百間樋会館前から干上がった仁川を渡ろうとしてふと北を見ると、住宅の間にもう一つの水門が見える。百間(180m)という距離から考えるとこれが百間樋の入口かもしれない。しかし住宅地に入るところの門扉が閉じられていて通行できそうにない。残念ながら後日の宿題とする。百間樋が通っていると思われる仁川を渡り、百間樋公園に入る。

仁川合流点の沈下橋

川西川(手前)が仁川に合流

仁川口橋

干上がった仁川を渡る(河床の下を百間樋が通る)

百間樋会館前から住宅地の間に百間樋入口?を見る
「百間樋公園」
 百間樋公園(百間樋児童遊園)で一服する。公園の南側に百間樋の出口がある。水量はわずかであった。ここで流れは二手に分かれ、東側が百間樋川でもう一方は富倉川である。百間樋川は甲東地区を真っすぐ南下する。きれいに整備され随所に石碑や案内の立札がある。RouteMap上、確認した石碑は☆で示す。一方の富倉川は西国街道に沿い門戸厄神駅の北側で阪急今津線をくぐり、津門川の上流で合流する。

百間樋公園(百間樋児童遊園)

百間樋出口(左:百間樋川、右:富倉川)

百間樋出口
「甲東地区」

百間樋石碑 下井(したゆ)の説明板がある

甲東地区を南下する百間樋川

百間樋記念碑
 百間樋川から離れ、鯨池浄水場に立ち寄ってみる。西宮甲東地区へ給水するため昭和39年(1964年)から稼働を始めた浄水場だが、現在は浄水処理を停止し、阪神水道企業団から配水している。百間樋川はさらに南下を続け、新幹線、国道171号線を横断して甲武中学校門前へ至る。国道に横断歩道がないので、甲武橋西詰にある地下道を潜り、甲武中学前に出る。地下道には昔の百間樋を描いた大きな壁画とその由来が掲げられている。水争いの絵はなかなかのものである。甲武中学美術部生徒とPTAの協力で出来た作品とのことである。

鯨池浄水場(現在不使用)

新幹線を潜る

マンション横をR171へ向かう百間樋川

R171地下道にある壁画
「甲武中学校」
 甲武中学校脇の用水路には「字参拾六高木村用水取樋」と彫られた花崗岩が積み上げられている。もとは3本の石柱で支えられて立っていたもので、阪神大震災で倒壊したとのことである。甲武中学校脇のそよかぜ大島公園で昼食とする。ここにはトイレもある。

用水路に横たわる高木村用水取樋(マウスで元の形)

花崗岩に「字参拾六高木村用水取樋」と彫られている

そよかぜ大島公園で昼食
大市八幡神社に立ち寄る。神社の創建は不詳だが、かなり古い時代のもの。本殿三間社流造檜萱葺は慶長15(1610)年の建立とある。境内に大クスノキ樹齢400年とか、池田輝政の植樹と石碑にある。

大市八幡神社

ご神木のクスノキ 樹齢400年
「門戸厄神」
 中津浜線に出てきた。百間樋川は西宮中央病院、イオン西宮店の前を流れ門戸厄神駅方向に向かう。思った以上に流れはきれいである。国道171号線・阪急今津線を陸橋で渡る。ややこしい陸橋だが橋上から六甲の山々の眺めがいい。川は阪急電車今津線の線路を潜り、線路に沿って西宮北口駅に向かう。

イオン西宮店の前を流れる百間樋川

門戸厄神 阪急とR171を陸橋で跨ぐ

阪急電車の線路を潜る百間樋川(手前下流)
「津門川合流」
 線路わきを流れる百間樋川は西宮北口駅の駐輪場の下に潜ってしまい、暗渠となる。ルートがわからなくなってしまった。駅舎の地下を流れることは考えられないので、どこかで直角に曲がっているはずである。門戸厄神駅付近から津門川が百間樋川に並行して流れているので津門川に合流しているに違いないと合流点を探す。上昭和橋付近に流れ込む暗渠があるが前後に合流してくる川はないのでこれが百間樋川に違いない。

阪急今津線脇を流れる百間樋川

駐輪場の下に潜り込む

津門川

暗渠で津門川に合流する百間樋川(手前上昭和橋)
すぐ近く、津門川沿いに西宮市環境学習サポートセンターがある。地下にミニミニ水族館があり、西宮市で生息する淡水魚など約30種を飼育している。職員に訊いても百間樋川の合流地点はわからないという。しかし掲示されている西宮河川図から上昭和橋の暗渠が百間樋川であることを確信する。予定では津門川に沿って今津まで足を伸ばす予定であったが、歩行はすでに12kmを越えているのでここで川旅を終える。百間川の末路はちょっと哀れであった。

西宮市環境学習サポートセンターのミニミニ水族館

西宮北口駅
本ページは武庫川エコハイクを参照させていただきました。
関連ページ: 百間樋川を歩く津門川まで 2018.2.10

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