UP 2018.3.15やまぼうし
阪神 仁川から甲山・北山を歩く
■日時:2018.3.10(土) 晴れ
■集合:9:30仁川駅
■行先:仁川から甲山・北山
■同行:武庫川エコハイク86名
ルートタイム:
仁川駅9:45〜上百合野橋10:12〜上ヶ原分水樋10:30〜地すべり資料館(10:45〜10:55)〜甲山展望台11:15〜甲山森林公園シンボルゾーン11:40〜神呪寺11:56〜北山貯水池(12:05〜昼〜12:45)〜北山緑化植物園(12:20〜12:40)〜北山池13:50〜銀水橋14:25〜苦楽園口駅14:50
行程図はこちら (歩行10.5km)
本稿は2018.3.10武庫川エコハイクの同行記録です。
「仁川」
 仁川駅に集合したのはスタッフを含めて86名。風は冷たいが天気良好。今日は仁川の水利用を考えるハイキングである。ガイドMさんから模造紙に書いた仁川用水の説明を受ける。仁川橋を渡って仁川右岸の道の一本西寄りの住宅街の道を上流に向かって歩く。右岸の道は車が多く、通行の妨げになるからである。20分余り歩いて上百合野橋西詰で水管橋の説明があった。上ヶ原浄水場は大正6年(1917年)に完成した神戸市の浄水場で、15km離れた千苅水源池から導水している。阪神水道企業団から購入した水とともに神戸市街地に送っている。

仁川駅で仁川の水利用の説明

上百合野橋から仁川上流を見る

上百合野橋から仁川下流を見る
 長い階段を登ると上ヶ原用水路に行き当たる。この水路は嘗ての上ヶ原新田、門戸、神呪の3ヶ村に稲作用の水を供給するもので、仁川渓谷の大井滝(大堰)から取水し仁川渓谷の中腹をトンネルで抜けてきている。下流に分水樋があり、堰き止めた板の切り込みの長さが上ヶ原3尺6寸2分(110cm)、門戸5寸6分(17cm)、神呪6寸6分(20cm)で水量をそれぞれ74.8%、11.6%、13.6%に分けている。田んぼの面積(あるいは上納金?)に応じて水量を配分している。うまく考えたものである。1857年以来、変わらずに現在でも水を分配しているそうである。

上ヶ原用水路

上ヶ原分水樋

関西学院構内古墳
分水樋から少し離れたところに関西学院構内古墳がある。上ヶ原台地には6〜7世紀前半のものと思われる古墳が多く残されており、その一つである。用水路を遡って行くと地すべり資料館である。1995年(平成7年)の阪神淡路大震災で発生した地すべりで13戸が流出、34名の尊い命が失われたところである(合掌)。トイレ休憩のつもりが震災のビデオに見入ってしまい思わぬ時間をとってしまった。

地すべり資料館前で

地すべりを起こした斜面
「甲山森林公園」
 上ヶ原用水の源流を見たいが仁川渓谷は危険で立入禁止である。震災後整備された斜面の階段を登り、甲山森林公園への山道に入る。少しの登りで公園の遊歩道に出る。階段道を上がっていくと展望台がある。展望台からは眼下に今たどってきた仁川が、遠く北摂、生駒、葛城・金剛の山並み、大阪のビル群や阪神平野の眺めが素晴らしい。展望を楽しんだあと、公園内のビュースポットからシンボルゾーンの真正面に配置された釣鐘型の甲山309mを見る。うまく景観設計されている。

甲山展望台から眼下の仁川、遠く大阪のビル群や阪神市街地を望む

甲山森林公園ビュースポット

シンボルゾーンの愛の像で
「北山貯水池」
 甲山自然の家の前から車道を歩き、神呪寺前を通って北山貯水池に至る。花見には少し早く、今日は湖面に観音山やごろごろ岳を映してきれいである。ここで昼食とする。風が冷たいので、早々に出発する。北山貯水池の案内版の前で説明がある。貯水池は1.5km先の湯ノ口から仁川の水を引いている。かつて仁川下流の農民と夙川水系の農民との間で水争いがあった。仁川水系の社家郷山は西宮神社を守る氏子の村々(広田、越水、中村、西宮郷)の持ち山であるとの理由で山越えで夙川水系に水を引っ張り込んだためである。現在の西宮の水は阪神水道企業団の琵琶湖・淀川の水であり、北山貯水池は予備のためのものとなっている。しかし琵琶湖渇水の時は仁川も渇水で役に立たないのではないだろうか。

北山貯水池

北山貯水池は使われていない
「北山緑化植物園」
 峠を越えて北山緑化植物園に向かう。途中の池端の紅梅・白梅に足を止める。植物園入口付近の石積みに元和6(1620)年徳川氏大阪城築城時の残石が使われている。20分間の自由行動で、各々園内を散策する。

梅林で

北山緑化植物園

大阪城築城時の残石
 再集合して北山池(三ツ池)に向かう。上池の花見広場の河津桜が数輪花ほころんでいた。北山池のふちを歩き銀水橋に向かう。巨岩がにょきにょきする道ではボルダリングを楽しむ若い人もいる。途中にビューポイントがあり夙川・芦屋方面が展望する。岩の転がる下り道は結構きつい。前を歩いていた女性が、また男性がバランスを失ったか崩れるように転んだ。かなり足にきているようだ。

河津桜

北山池

ボルダリングに興ずる少年
堰堤が見えてくると傾斜も緩み、水分谷川橋を渡ると銀水橋である。水分谷川は北山貯水池から流れ出て銀水橋で夙川に合流する。橋の上流の滝を囲む岩は擬岩である。車の往来の激しい県道82号線を渡り、夙川上流緑道を下る。夙川とは、中国街道・西国街道が合流する位置にあり、往来する人で賑わい宿場のようになったことから宿川→夙川となったという。

北山ビュースポット

水分谷川橋から擬岩の滝

銀水橋から夙川
「夙川」
緑道の途中から夙川の河原に降りて下っていく。家族づれや子供たちが水辺遊んでいる。まもなく花見客で賑わうことだろう。阪急甲陽線の高架を潜ると苦楽園口駅が近い。

夙川を苦楽園口に向かう

本ページは武庫川エコハイクを参考にさせていただきました。
やまぼうし

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