UP 2018.5.19
羽束川を歩く(三田・高平)

高平谷の風景(田中集落より)
日時:2018.4.1(土)/5.12(土) 晴
行先:羽束川 (三田・高平)
集合:JR三田駅北口
同行:エコハイクスタッフ7名
行 程:JR三田駅北口9:25…(神姫バス)…木器バス停9:40-蓮花寺(9:45~10:15)―つくしの里(10:42~10:53)―高平橋11:08―高売布神社(11:22~11:28)―酒井―阿弥陀橋11:55―高平ふるさと交流センタ(12:10~昼~12:45)-観福の森-とりで広場(13:17~13:28)-観福寺(13:50~14:03)―十倉バス停14:18(バス15:04発)…(神姫バス)…JR三田駅15:30  
行程図はこちら 歩行9.5km
 羽束川は武庫川最大の支流で、源流は大阪府能勢町天王の深山(みやま、標高791m)にあり天王川という。府県境を跨いで羽束川となり、途中篠山市後川(しつかわ)、三田市高平を経て宝塚市波豆で波豆川を合流して千苅水源地に注ぐ。武庫川には神戸市道場で合流する。流域面積95千km2(武庫川流域の19%)、長さ32km、高低差360ⅿで武庫川奔流よりも勾配が大きい。川の長さは上流部天王川3.76㎞、続く羽束川32.35㎞で流路総延長約36㎞に及ぶ武庫川最大の支流である。今日は三田市高平地区を流れる羽束川を歩く。
「木器・蓮花寺」
 木器(こうずき)で下車する。サクラが満開に近い。木器の地名のいわれは木地師(木工職人)が木の器を作っていたことにちなむものであるようである。 バス停近く蓮花寺へ。真言宗深谷山蓮花寺は、法道仙人創建、1300年前の孝徳天皇の時代に隆盛を極めた古刹として今に伝わっている。本尊の阿弥陀如来、脇仏(観音菩薩、地蔵菩薩)の三体と山門は県の重要文化財に指定されている。仁王像は運慶の作ともいわれる。山の中腹にある多宝塔まで登ってみる。文化9年(1812年)鴻池組の手で建造された二重の塔で、三田で唯一設計図版を残している建物である。塔から眼下に木器の里を望み、坂道の途中から羽束山の勇壮が覗く。

真言宗深谷山蓮花寺

蓮花寺山門(県重文)

多宝塔

多宝塔から木器の里

境内から羽束山を望む
県道37号線を北上する。右手(東)に大船山653mが見えてくる。三田第二の高峰でこれから先ずーっと大船山と同行することになる。対する西側には烏ヶ岳528m・行者山が見える。道路の対岸(東側)に大藪古墳や大歳神社があるはずだが今回は見落としてしまった。本番で確認、大藪古墳は田んぼの中に、大歳神社では樹齢400年以上と云われるケヤキの巨木が見られた。

大船山653m

烏ヶ岳528mと行者山(右)

大藪古墳

大歳神社と大ケヤキ
「つくしの里」
 上槻瀬に入ると三田もち処「つくしの里」の看板が見えてくる。高平地区の農業活性化と地域特産の開発目的に平成7年7月オープンした。今が旬のよもぎ餅が特においしく、本番では買い求める人の長い行列ができた。裏山の「ナナマツの森」は北摂里山博物館NO.20に指定され、ファミリーコースや健脚コースの遊歩道が整備され市民による里山整備が行われている。

高平谷を走る県道37号線(北を見る)

高平谷を走る県道37号線(南を見る)

つくしの里

名物 よもぎ餅

つくしの里と大船山
再度県道を北上する。高平小学校は大船山を背景に素晴らしいロケーションにある。昭和42年(1967年)創立、平成29年(2017年)に50周年を迎えたが過疎化で全校児童数は117名(2017年度)にすぎない。校区は北は小柿から南は木器まで南北約10kmに及ぶ。高平橋から県道を外れ、高売布神社に向かう。

高平小学校
「高売布神社」
 高平橋の近くに橋脚の残骸があり、昭和○○年夕日橋の銘がある。高平橋の架橋で廃棄されたものか?すぐ上流に日暮橋がある。数本のスギの巨木が鳥居を隠すように高売布神社がある。旧摂津国川辺郡の延喜式内社であり、木造の狛犬と本殿は国指定重要文化財。高平の総社であり、延喜式内社でもあることから、起源は、中世までさかのぼるとされている。祭神は大国主命の娘の下照比売命、天稚比古命の夫婦神で宝塚の売布神社の祭神と同じ。訪れる人はないのであろう、トイレもない。

高平橋

夕日橋の橋脚

高売布神社

高売布神社本殿(国重文)

酒井付近 羽束川堤の桜は開花してない
 高売布神社を出て酒井を過ぎるあたりで羽束川の堤防上に出る。堤の桜はまだ開花していない。同じ高平谷でも南の木器周辺と比べると気温が低いのだろう。末吉川が合流してくる。観福の森が近づき、堂山のとりで広場の東屋が見える。その右手のアンテナ群のある山は大野山である。正面の山塊には三田最高峰三国ヶ嶽698mがある。阿弥陀橋を渡り田中の集落に入る。廃墟の中の煙突は地酒・元井上酒造(ありま富士)の跡である。羽束川の清流を活かした造り酒屋は昭和50年頃廃業している。

三田最高峰三国ヶ嶽698m

奥山と観福の森
「高平ふるさと交流センター」
 田んぼ道を横断して高平ふるさと交流センターに到着する。途中から振り返る高平谷の風景は秀逸である(トップ写真)。高平ふるさと交流センターには三田市支所があり、学習施設や体育館、グランドがある。北摂里山博物館NO.21「高平観福の森(キリン水源の森づくり)」の看板がかかっている。遅い昼食を摂る。

高平ふるさと交流センター入口

高平ふるさと交流センター体育館
「観福の森」
 体育館の裏側、フェンスの扉を開けて観福の森の道標に従ってとりで広場に向かう。さら池へ向かう途中の猪除け柵を開けて森に入る。とりで広場への近道はパンフレットによれば通行止めとなっているので峠回りの道を行く。峠まではよかったが、その後急階段の道が続き、やっとの思いでとりで広場についた。標高319mの堂山の頂上で、眼下に高平谷を望む。この地は十倉城の川原砦(かわらとりで)があったという。東屋で休憩する。田園風景の中、大船山、羽束山がシルエットに浮かぶ。

観福の森遊歩道

とりで広場へ急階段が続く

とりで広場(川原砦跡)

とりで広場から高平谷の風景
「観福寺」
 観福寺へ直接下る道標があるが、パンフレットでは通行止め表示があるので、交流センターへ戻る道からお稲荷さんを回って降りることにする。(実際は通行可能だが急傾斜で滑りやすく団体には不向きであることが分かった)。金毘羅さんまではジグザグの階段道であったが、お稲荷さんへの道は緩やかで所々に三十三所巡りの石仏がある。光明山観福寺は法導仙人の開基で中世においては七坊の塔頭を持つ大寺であったが、相次ぐ兵火に消失し昔の面影はない。茅葺の仁王門は県の指定文化財である。中庭にはモッコクの大樹がある。川原バス停のバス待ちの時間が長いので隣の十倉バス停へ歩く。さらに時間があるので花折橋バス停まで歩いてしまった。バス代100円ぐらい浮いた勘定である。

お稲荷さんの道へ合流

観福寺

観福寺山門
本文は武庫川エコハイクを参照しています。

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