UP 2018.4.18やまぼうし
京都 笠置山
JR大河原駅〜東海自然歩道(木津川)〜笠置山〜JR笠置駅
 ■日時:2018.10.12(金) 晴
 ■場所:京都 笠置山(288m) 2.5万地形図 笠置山
 ■同行:シニア自然大学校自然と環境科 20名
ルート:
JR大河原駅10:00〜恋路橋10:05〜恋志谷神社(10:12〜10:20)〜十一面観音磨崖仏10:42〜東海自然歩道分岐10:52〜潜没橋南詰(11:40〜11:47)〜布目橋12:03〜甌穴(12:12〜昼〜12:47)〜布目川発電所12:56〜巨岩(13:20〜13:27)〜笠置橋南詰13:35〜笠置山登山口13:41〜笠置寺山門14:12〜笠置山頂上(行在所跡)14:53〜笠置山山門15:10〜登山口15:38〜JR笠置駅15:46
Route Map  歩行12km

JR笠置駅から笠置山を見る
「大河原」
 関西本線を走る大和路快速は加茂駅で終点。これから先亀山までの山あいは単線で、ワンマンのジーゼルカーが木津川に沿って走る。バス同様後乗り前降りで料金を払う仕組みでICカードは使えない。下車した大河原駅は京都府唯一の村、相楽郡南山城村にある。関西本線では一日の乗車客60人と最も少ない駅で、朝夕以外は無人である。山峡にあるが標高は60mと意外に低い。駅を出てR163の側道から木津川河川敷に下り、恋路橋を渡る。この橋は沈下橋で車も通行できるが運転を誤れば川へドブンである。山峡部なので水流は早い。このあたりの木津川は過去何度も水害にあっているようで、増水時には川に沈み、流木や土砂に引っかかって壊れないような単純な構造になっている。

大河原駅下車

R163側道を歩く

恋路橋
 対岸にある恋志谷神社に参拝する。神社は舞台のある天満宮境内にあり、後醍醐天皇を恋い焦がれて病に倒れた姫を祀っている。昔から子授け、安産など女性の守り神となっているという。天満宮は柳生藩3代藩主宗冬公が勧請したと伝えられ、石鳥居には正保4年(1647)の刻銘がある。

天満宮石鳥居

天満宮境内の舞台
恋志神社本殿(左)と天満宮(H28造営)が並ぶ
「東海自然歩道」
 車道を西に向かって歩く。左手は急峻な崖で所々に渓流が流れ落ちている。右手は木津川だが立木に隠れて流れはほとんど見えない。舗装の東海自然歩道だ。20分ほどで左手崖に小さな磨崖仏を見る。南山城村教育委員会の立札によると十一面観音磨崖仏という。舟形光背に高さ94cmの観音像を半肉彫したもので室町時代の1534年の刻銘がある。まもなく、車道から分かれて杉木立の地道に入る。やっと東海自然歩道らしくなった。

舗装の車道を歩く

十一面観音磨崖仏

渓流が木津川に流れ落ちる

東海自然歩道は車道から分かれて地道へ

杉木立の東海自然歩道を歩く

木津川辺り地蔵石仏
 再び石仏である。立札では木津川辺り地蔵石仏といい1502年の刻銘があるという。木立の間から木津川の堰堤と相楽発電所が見える。落差僅か3.3m、奥に閘門、魚道、流筏路がある。 やがてJR関西本線の木津川鉄橋にさしかかる。明治時代に建造されたレンガと石造りの巨大な橋脚が見るものを圧倒する。沈下橋が見えてきた。潜没橋というらしい。長さは100m以上ありそうだ。

木津川と相楽発電所

関西本線木津川橋梁

潜没橋 対岸はR163
「布目川」
 潜没橋南詰の東海自然歩道案内板のところでトイレ休憩する。本コース唯一のトイレはありがたい。飛鳥路(あすかじ)の集落に入る。笠置町大字飛鳥路は、大和国高市郡の飛鳥京と同じ名をもち、柳生藩の木津川に出る唯一の道路となっていた集落で徳川末期まで、柳生産の薪炭をこの道路によって輸送し、ここから京、大阪に高瀬舟で輸送していた。現在も、のどかな田園風景を残した集落であり、地区内には徳川末期に資財をなげうって公共奉仕に捧げたといわれる庄屋庄七の碑が建立されている。峠から正面に笠置山と思しき山が見える。布目川に下りてきた。東海自然歩道は布目橋を渡る。岩盤の河原に甌穴群(ポットホール)がある。甌穴とは、河底にできた円筒状のくぼみである。案内によれば、うずまき流が生じ中に落ち込んだ小石が回転しながら河床を深く削って出来たものである。この辺りの河床は非常に堅い花崗岩で成り立ち、このような所に出来るものは珍しく、穴が出来るまでには数十万年から数百万年かかるものと推定され、地元では、この甌穴を九つ壺と呼んで親しんでいるとのこと。ここで昼食とする。

飛鳥路の集落

峠を下る

布目橋

布目川

甌穴
「笠置」
 布目川発電所の横を抜け、関西本線脇の道を笠置に向かう。遠くに笠置大橋が見えてきた。前方が開け、巨岩奇岩の転がる河原に下りる。遊びカヌー発祥の地の碑文があり、ここ鹿ヶ渕はシーズンにはカヌー遊びで賑わうとのこと。笠置大橋南詰に到着、笠置の町に入る。有志9名は笠置山に登る。近畿の東の果てまでやってきたので登らないわけにはゆかない。

布目川発電所

関西本線脇を歩く

笠置大橋が見えてきた

河原の花崗岩巨石

笠置大橋

笠置の街並み
「笠置山」
 笠置自然公園のアーチをくぐると登山口がある。ドライブウェイも通じている。標高差は200m余り、ドライブウェイと交叉しながら石段道を登る。約30分で笠置寺山門である。入山料300円を支払い行場巡りコースを歩くことにする。笠置山は後醍醐天皇が行在所を置いて鎌倉幕府に対抗したことで有名だが、2千年前から巨石、奇石が信仰の対象で修行場としても知られている。本尊の弥勒大磨崖仏は戦火で焼け、光背だけが残っているが、正月堂では赤外線撮影した彫像を見ることができる。また虚空蔵磨崖仏はしっかりした彫像が残っていた。胎内くぐり、太鼓石、ゆるぎ石、平等石と登る。平等石からは眼下に木津川の流れを望むことができる。二の丸の先で石段を登ったところが行在所跡で、石垣に囲まれて中に入ることはできません。ここが笠置山ピーク(288m)と思われます。一周回って本坊まで下りてきた。帰りはドライブウェイを下りる。

笠置山登山口

登山道

笠置寺山門
行場めぐり (笠置寺境内案内図)

入山料¥300

弥勒大磨崖仏

巨岩奇岩の行場巡り

虚空蔵磨崖仏

胎内くぐり

平等石

木津川の展望(平等石から)
後醍醐天皇行在所跡

行在所への石段

行在所跡(笠置山ピーク)
 登山道から俯瞰した笠置の町はこじんまりとしています。木津川上流から伐採した木材の筏流しの津として繁栄した町は、今は観光の町ですがこの時期ほとんど人影がありません。河原のテントは釣り人でしょうか。列車を待つ1時間、笠置駅隣接の喫茶店で地ビールで疲れを癒し帰路につく。

箱庭のような笠置の町

笠置駅前から笠置山

笠置駅

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