up 2019.12.12やまぼうし
東六甲 大平山から船坂峠
エデンの園〜大谷乗越〜大平山〜船坂峠〜清水谷〜船坂
日時:2019.12.10(火) 晴
山名:大平山(681.2m)
同行:武庫川エコハイクスタッフ(8名)
1月11日に行われる武庫川エコハイク大平山から船坂峠を歩くの下見記録である。かつての六甲山は樹木もない花崗岩のはげ山で、大雨ごとに水害や土砂災害が発生していた。逆瀬川の上流域は千石ズリと呼ばれたように、風化した花崗岩や真砂に埋もれ、荒涼とした風景が広がっていた。明治末から昭和初頭にかけての植林や砂防など一大治山事業により今は水害もなく緑の大地に生まれ変わった。先人の偉業を偲びつつ、エデンの園から焼石ケ原を大谷乗越へ歩く。そして六甲縦走路を大平山を経て船坂峠へ、清水谷を船坂まで下る。

明治の頃の逆瀬川上流 千石ズリ

現在の逆瀬川上流(ゆずり葉緑地公園より)
行程:
逆瀬川駅9:30/9:46発・・・(バス)・・・ エデンの園10:00/10:10→焼石ケ原→県道82号10:51/10:58→六甲縦走路・大谷乗越11:25/11:32→NTT管理道12:01→大平山三角点(12:34〜昼〜13:10)→縦走路13:15→展望P13:28/13:34→船坂峠14:03/14:08→清水谷→水場・登山口15:02→船坂バス停15:20/15:29発・・・(バス)・・・宝塚駅15:50
Route Map 

「焼石ケ原」
 エデンの園バス停に8名が集合する。一人がバス時刻を間違って遅刻。10分遅れの10:10に出発する。エデンの園西端、車両通行禁止のゲートから焼石ケ原に入る。すぐの広場は駐車場となっているが、かつてここは砂防工事に名を借りた墓地の造成が行われようとしていた。それと知った住民の反対運動で工事は中止となったが、お寺の会館はまだ残っている。焼石ケ原の逆瀬川河原には車の乗り入れができて、キャンプや飯盒炊さんを楽しむ人が多かった。そのうちに河原の石取り業者が入りこんだり、大型廃棄物を捨てられたりなどしたため、車両侵入禁止となった。

 河原から一歩山側の石のごろごろ転がる道を歩く。長い間放置されていた廃車はまだ残っていた。別荘もあったのだろうか、古井戸や煙突の跡などがある。大きく崩れたズリ地を歩く。雨のたびに土砂が崩れ流れているようで、そのうちに通行できなくなりそうである。約40分で県道82号線に出る。台風による土砂崩れでしばらく通行不能となっていたが、今日は車が飛ばしている。盤滝トンネルが通行無料になったのに、わざわざ峠越えするのは無線施設の関係者かカーブ運転を楽しむドライバーだろう。
 

焼石ケ原 古井戸がある

ズリ地

県道82号線に出る
「大平山」
 車道のだらだら登りは単調で疲れる。ウリハダカエデなど名残の紅葉を鑑賞しながら気を紛らす。標高差約100m、30分で大谷乗越の六甲縦走路に到着する。道標No32がある。全山縦走大会が終わり、今は静けさを取り戻している。一服して、大平山へ鎖付きの階段道に取りつく。段差のある階段は足が届かない。登り切ってへたり込むスタッフもいる。名古屋から遠征してきたという男性リーダーに引率されたシニア女性グループが追い越していった。

車道を登る

大谷乗越 六甲縦走路

大平山へ急階段を登る
 NTTの管理道へ到着する。大平山は目の前だが、車道を歩かず、昔の登山道を行くことにする。取付の目印はないがコンクリートの土手に段があり、よく見ると奥に踏跡が続いている。踏跡道は防衛省の無線基地のフェンスを回り、再び山林へ入る。テープなどの印はないが道は明確である。谷を越えて登ったところが大平山三角点(681.2m)であった。目の前にNTT船坂無線局の巨大なアンテナが見える。管理道に降りて遅い昼食をとる。今日は施設の整備が行われているようで作業員の姿が見える。

NTT管理道へ出る

大平山へ旧登山道にとりつく

防衛省無線基地のフェンスを巻く

防衛省無線アンテナ

大平山三角点681.2m

NTT船坂無線局
「船坂峠」
 車道を六甲山縦走路に戻る。道標No31を六甲山頂方向に歩く。スギ、ヒノキ林の道が続く。右(北)に棚越へ降りる道がある。小笠峠へ下る道は廃道と化したようで踏跡もない。突然切り開きが現れる。南斜面の木が大きく切り倒され、阪神間の風景が展開する。社家郷山、甲山、北山池、阪神競馬場、大阪の高層ビル群、大阪湾まで一望である。倒木がベンチ代わりである。本番は大平山での昼食を考えていたが、足を伸ばしてこの場所にしたい。

六甲縦走路大平山 NO31道標

スギ・ヒノキ林を歩く

切り開き

阪神間の展望(手前は社家郷山、奥に甲山)
 少し登った所の左に踏跡があるが、小笠峠から逆瀬川源流を登ってくる道である。このコースは健脚者向きで、団体では無理である。しばらく歩くと右(北)へ下る道がある。縦走路と間違いやすい。道標はないが、661mPを巻いて船坂へ下るが、途中に上皇(平成天皇)のご成婚記念碑がある。本日のピーク(710m)道標NO30を過ぎて少し、ミヤコザサの道を下ると船坂峠(660m)である。道標NO29が立つ。立ち木に覆われて展望はない。縦走路と交差する南北の道は、南は東六甲ドライブウェイ、北は船坂である。昔は丹波と西宮を結ぶ間道であったようだ。ちなみに筆者は過去に東六甲ドライブウェイに下ったことがある。

東六甲ドライブウェイへ峠川ルート

船坂峠(標高660m)

船坂へ清水谷ルート
「船坂」
 船坂へは清水谷と表記した道標がある。清水谷へミヤコザサの道を下る。細いがしっかりした道が九十九折れに尾根を下る。所々で倒木が道をふさぐが通行できないことはない。危険なところは商売道具のノコやハサミで伐採していく。谷に降りてきた。清水谷と言うのだろう。わずかな流れは大多田川の源流である。道幅が広がるが、薄暗い谷はあまり気持ちがいいものではない。またごろごろ転がる岩に足を取られてなかなか思うように進めない。前方が明るくなってきた。水場だ。貯水槽から水道管が伸びているが、途中で破損している。もう使わないのだろう。すぐに、舗装道路となる。船坂からの登山口だが、何の標識もない。ここまで車が入れそうである。。

ミヤコザサの道を下る

登山道をふさぐ倒木を伐採

清水谷

水場

登山口を振り返る
 民家が現れた。急坂を下っていく。西宮北道路の高架をくぐり、古民家を左に見て県道82号線に合流した。旧船坂小学校に立ち寄る予定であったがバスの時間に間に合わない。船坂バス停に急ぐ。女性陣は少し離れたところのコンビニのトイレに行く時間がなく、宝塚まで20分を我慢することになった。有馬温泉発宝塚行きのバスには数人の乗客があったが全員着席することができた。本番は乗り切れないことを想定して、船坂橋から西宮、有馬行きの「さくらやまなみバス」利用を考えている。スタートの遅れ、倒木の伐採・除去などで時間を取られたが本番はもう少し時間的余裕があるだろう。お天気にも恵まれ快適なハイキングであった。

船坂の集落を下る

古民家

船坂バス停
1/11武庫川エコハイク本番は81名の参加者であった。
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関連ページ:東六甲 雪の大平山(2009.1.2)東六甲 大平山から船坂峠(2016.1.31)

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