up 2021.9.26やまぼうし
宝塚 宝塚北SAから古宝山を歩く
新名神宝塚北SA〜八王子山〜古宝山〜玉瀬〜新名神宝塚北SA
◇日時:2021.9.23(木・祝) 晴
     /2021.10.18(月) 晴
◇スタート:新名神高速宝塚北SA
◇山名:宝塚市玉瀬
     八王子山(360m)、古宝山(459m)
◇同行者:ハナミズキ/MNC21名

新名神宝塚北SA
過去に何度も登った古宝山ですが、新名神高速宝塚北SAからは初めてです。MNC山歩会の下見として歩いてみました。コロナ禍で2年ぶりでしたが、この間の大雨や台風で山道が大荒れで迷走を繰り返し、予定のコースを辿ることができませんでした。幻の滝といわれた玉たれの滝は17年振りのご対面でしたが健在でした。約1か月後の本番は21名の皆さんを安全コースに案内しました。本記事は下見の記録です。
本番はこちらです。
行程:
新名神高速宝塚北SA9:22〜武田尾辻バス停9:50/9:55〜取付1 10:03〜小広場10:14〜迷走〜取付2 10:55〜玉瀬辻バス停11:00〜民家登山口11:05〜玉瀬分岐11:12〜玉たれ滝11:22〜八王子山分岐11:44〜古宝山(11:55昼12:25)〜八王子山12:55〜玉瀬分岐13:07〜ため池13:13〜迷走〜玉瀬辻13:40〜グランド13:48〜奥の焼山取付14:06〜隠し田小屋14:15〜湿地14:20/14:37〜新名神高速宝塚北SA14:55
Route Map (GPS) 歩行約10km 
「新名神宝塚北SA」 
 宝塚の自宅を車で出発して新名神高速宝塚北SAに向かう。約30分で到着する。市内からは遠く、ここを利用する車はほとんどいない。しかし一般駐車場は数十台の車で埋まっているが、この人たちは何の用事でサービスエリアへ来たのだろうか?遊び場はないし、買い物?とにかく支度をしてSAの建物へ向かわずに反対の山側へ向かう。ガードマンが気づいたら不信に思うだろう。
 擁壁の下山ポイントを確認して、車道をてくてく下っていく。新名神高速道開通記念で武田尾駅から歩いたことがあるが、斜度12%の長い坂道の上りはかなりきつい。出合橋近くからは県道33号線を玉瀬方向に上っていく。新名神高速のお陰で、ほぼ2車線に拡幅されたが、まだカーブを緩やかにする工事が行われている。行きかう車は少ない。30分で武田尾辻バス停である。この奥に大岩谷住宅100区画ほどが開発されたが、バブルがはじけた今は何人が住んでいるのだろうか。住宅入口の花壇は手入れがなされていて、キバナコスモスが咲いていた。

長い坂道は県道33号線に合流

武田尾辻バス停は大岩谷住宅の入口

玉瀬 右カーブ付近に古宝山への取付がある
「迷走その1」
 古宝山へは県道沿いにある電柵の切れ目取付Aから入るが、そこは草ぼうぼうであるが道であることはわかる。やがて僧川の支流を遡っていく。目指すは登山口となるため池である。小広場でヤブとなりどちらへ行くべきか迷うが、ヤブの薄いところを進んでいくと倒木とゴミ捨て場のようなところで行止り。左手に踏跡があるので進んでいくと猪罠檻であった。戻ってゴミ捨て場を越えてみるとその向こうに踏跡が続いているを発見。渓谷状の道が登っていく。NHKケーブルの標識があり、関電巡視路を示す火の用心看板もあるので、大雨で道が抉れて渓谷状になったと思い込み、さらに奥へと岩ゴロの谷を遡っていく。心配になったのでGPSを取り出してみると予定コースを大きく外れて隣の無名峰380mへ向かっていることに気づいた。本物の渓谷だったのである。慌てて元の広場へ戻ってみたがため池方面への道は発見できず引返す。出てきたところは県道のもう一つの取付Bである。

取付A 電柵を外して入るとすぐに深い藪

僧川支流は暗渠に

ゴミ捨て場でストップだが乗り越える

流れのない渓谷となる えぐれた道と勘違いする

戻って取付Bから脱出
「滝道」
 ため池コースをあきらめて、帰り道の予定だった玉瀬辻の民家から登ることにする。民家の庭先を通るので気が引けるが、通りかかった人に尋ねると、ため池よりもこちらが本道と教えられる。階段に小さな道標が置いてあった。裏庭の電柵を開けるとしっかりした登山道が登っている。

民家から取りつく(正規の登山道)

ヒガンバナ咲く民家裏庭

電柵を開いて登山道へ NHKケーブル標識あり
 10分ほど登ると、ため池から登ってくる道と合流した。玉瀬分岐である。左折して登っていけば八王子山経由古宝山である。帰りは右折してため池方面へ下れば、往路の道がわかるだろう。すぐ上の右踏跡分岐は無名峰380mへ、その上の右分岐は滝道を経て古宝山である。17年前(2004年)に幻の滝といわれた「玉たれ滝」を再訪したいので滝道へ進む。山の斜面につけられた踏跡道を5分も進むと瀬音が聞こえる。最近の雨で、流れを取り戻していることが分かった。滝口まで下りてみる。一枚岩から静かに流れ落ちていることはわかったが、足元が危険で近づけず全体を見ることはできなかった。

滝道分岐(右上へ)

滝道

玉たれ滝

玉たれ滝(2004年)
これから先は初めての道である。 うっそうとした森林の中の渓谷を登っていく。苔むした小岩がごろごろして歩きにくく、倒木も多い。源頭に達すると踏跡道が現れ、やがて古宝山と八王子山を結ぶ道に合流した。分岐に井戸のような穴があるが何のためだろうか。時間もかかり、体力を消耗したので古宝山をあきらめようとも考えたが、あと残り標高差60mほどなので頑張ることにした。

岩ゴロの谷を登る

古宝山と八王子山を結ぶ道に合流(左下から、直進は八王子山)
「古宝山」
 きつい登りをこなして古宝山山頂に到着。小広場に鍵付きの祠があり、法道仙人が祀られている。大原野の宝山寺と同様であり、古宝山とは宝山寺のルーツであることがわかる。奥には三等三角点玉瀬459.4mが鎮座している。コナラ、リョウブ、アカマツなどに囲まれて展望はない。昼食休憩する。

古宝山山頂

登頂記念

三角点玉瀬459.4m

祠 インド法道仙人像
「八王子山」
 切畑まで縦走したいところだが、今年から宝塚へのバス便がなくなってしまっている。長居するところではないので、元の道を引返し、八王子山へ向かう。滝道への分岐を見送りコシダの群生する400mの小ピークを越える。八王子山へは激下りが待っている。凹溝の固い岩面の下りはつかまる木もなく滑り台である。やむなく立木の茂る山中を迂回して下った。露岩を登ると八王子山360mである。玉瀬の氏神である八王子社が祀られている。朱塗りの屋根が真新しい。展望が開け、ゴルフ場や新名神高速道、はるかに六甲の山々が見える。振り返ればピラミダルな古宝山である。しばし展望を楽しみ、神社の参道を下っていく。崩れかかった石段が続く。鳥居が朱塗りの金属製に変わっていた。

400mPはコシダの群落

八王子山 露岩帯

八王子山から古宝山を振り返る

八王子社は玉瀬の氏神さん

新装の鳥居
「迷走その2」
 往路の玉瀬分岐に差し掛かる。玉瀬民家へ向かわず、直進してため池方面に下る。明快な山道はやがてヤブに突き当たる。林間にため池が覗くが道はない。覚悟を決めて、背丈を超える笹をかき分けてため池の堰堤らしいところを進む。足元を確認しないと池に落ちかねない。堤を横断すると踏跡道が現れてほっとするのもつかの間、民家の裏庭のようなところに出て道は消える。再び堰堤の反対側に戻り、池から下る道がないか探る。池の下は荒れた湿地帯になっていて下りる道はない。以前は田んぼだった記憶がある。山側を突破しようと小川を渡るが密集した立木に阻まれて身動きが取れない。ハナミズキは玉瀬分岐へ戻ろうと言い始める。ここまで来たからには何としてでも車道へ出たい。再度堰堤の笹をかき分けて、先ほど見えた民家裏庭近くへ出て、林中をさまよっているうちに栗林へ出る。道路が見えたので栗林を横切り、電柵を越えて車道に出た。ほっとしたものの見つかったら叱られるに違いない。すみませんでした。栗は拾っていませんので。
 ため池を超えるのに20分もかかってしまった。わずか2年でため池への道が消えてしまったのである。村人はもうため池を使っていないのかもしれない。それにしてもGPSを持ちながら何のざまか。あとで調べると往路に10mも離れていないところまで来ていたのだが・・・。

広い山道はため池でストップ

深い藪をかき分ける
「隠し田」
 気を取り直して玉瀬バス停近くから奥の焼山への道へ入る。スイレンの池、ホダ場を通り草野球ができそうなグランドに出る。一服する。轍のある林道の登りとなる。振り返れば古宝山の姿が美しい。この辺り、枝道がややこしい。広場を上って最初の分岐は左にとる。直進や右折は玉瀬に戻ってしまう。送電線鉄塔#185を過ぎて左(南)への広い道は尾根筋を通って宝塚北SA方面だが、自然園看板(廃園)を過ぎると道は消える。下るように、直進が正解である。次のT字路は左(南)へ、すぐ右手の火の用心看板鉄塔#184は奥の焼山(別名ホウケントウ)346mへの道だが、今日はパスする。

スイレン池

ホダ場

グランドを見下ろす

轍の林道を登る

右奥に奥の焼山取付(巡視路)がある
 車が通行できるほどの道を南下していくがやがて水が浸みだしてきて水路のようにになってきた。左にため池を見て進むと分岐があり左折していく。農機具の置かれた小屋を通り過ぎて進むと湿地帯に入る。ここは嘗て隠し田があったところであるが雑木が林立する薄暗い谷間になっている。小川を渡り、左岸の小高い場所を歩く。ぬかるみを避けるために右岸に渡るも、こちらも水たまりとぬかるみで右往左往する。ぬかるみに足を取られ、靴がなかなか抜けないこともある。再び深い溝となった小川を左岸に渡ると登山道が見えてきた。この間20分、靴はドロドロになってしまった。

道は水路に

隠し田納屋

湿地に突入(右岸)

深い溝を左岸に渡る(左岸から川上を見る)

湿地脱出登山道へ 振り返る
「宝塚北SA}
 湿地を抜け出して、登山道を更に南下する。明快な道だが途中に湿地もあり気が抜けない。ガレ地に出て前方が開けたと思ったら宝塚北SAであった。車道から10mほどある擁壁の上に立っていた。足元にインターチェンジとサービスエリアが展開し、彼方に大峰山、川下川ダムが見える。擁壁を慎重に下り、スタート地点の駐車場に戻ってきた。迷走を含めて約10km5時間40分の山歩きであった。装備を解いて、宝塚歌劇場を模したサービスエリアに入る。まだ緊急事態宣言中であるが、大勢のお客で混雑している。ソフトクリームが疲れを癒してくれた。お疲れ様でした。

宝塚北SAが見える

擁壁の上に飛び出す

新名神高速宝塚北SAとインターチェンジ(擁壁上から)
この先は獣の住処曼殊沙華     ハナミズキ
文・写真・編集/やまぼうし

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