UP2022.3.21やまぼうし
亀の瀬から明神山
河内堅上〜亀の瀬〜竜田古道〜三郷大正橋〜明神山〜河内堅上

◇日時:2022.3.16(水) 天気晴 気温12℃
◇場所:亀の瀬、明神山(274m)
◇同行:1名
行 程:JR河内堅上10:05〜亀の瀬10:30/11:08〜竜田古道〜峠八幡神社11:28〜大正橋11:56〜(迷走)〜藤井コース登山口(12:27昼12:55)〜明神山参道13:30〜明神山13:45/14:20〜尾根道〜堅上分岐15:00〜登山口15:26〜R25進入路15:35〜弁天橋15:40〜河内堅上駅15:47
コース 約10km 一般向き
Route Map (GPS)
 大和川が生駒山地を越えて奈良から大阪へ流れを変える峡谷に亀の瀬があります。古来から地すべりを起こすと恐れられたところで、昭和初期の地滑りでは峡谷が埋まり、奈良側は湖となってしまい、鉄道トンネルは埋まってしまいました。以降現在に至るまで大規模な防災工事が続いていますが、地すべり地帯の全貌を眺められるのが大和川の対岸にそびえる明神山(274m)です。河内堅上駅から亀の瀬、明神山をぐるりと一周してきました。
「大和川」
 関西本線で河内堅上駅に降ります。大阪の中心から40分余りですが、近鉄電車にお客を奪われ駅舎は掘っ立て小屋に近く、トイレはぼったん式です。しかし亀の瀬が日本遺産に指定されたばかりなので、小さな待合室には案内パンフレットが置かれ幟が立っています。観光客が増えるといいですね。駅の陸橋から大和川がすぐ前に、丸い形の明神山が見えます。高さ274mですが、雄大な姿は500m級の山に見えます。

河内堅上駅

明神山(河内堅上駅から)

三郷町方面に歩く

大和川に沿って
 駅から北方(三郷町方面)に線路沿いに歩きます。右折して踏切を渡ると大和川の流れが見えてきます。関西本線の鉄橋下をくぐります。大和川を斜めに横切る第4大和川橋梁は昭和7年に地すべり地を迂回するために造られた鉄橋で、特異な架構形態(上路プレートガーダー(桁受けトラスを有する橋))を採用した希少な鉄道構造物です。2019年近代土木遺産に指定されました。

特異な構造の第4大和川橋梁233m(土木遺産)

橋脚にある近代土木遺産標識
「亀の瀬」
 亀の瀬にかかります。川の中に見えるぽつんとした岩が亀の瀬岩です。その右岸上部に地すべり対策工事の拠点国交省大和川河川事務所と亀の瀬地すべり資料室があります。竜田古道と亀の瀬は2020年日本遺産に登録されました。すぐ近くに、掘り起こされた旧大阪鉄道のトンネルがありますが、中に入るには見学許可が必要です。後日見学予定なので、本日は事務所にご挨拶だけして、竜田古道を三郷町へ歩きます。

亀の瀬岩

大和川河川事務所(右奥)と亀の瀬地すべり資料室(左)
 

旧大阪鉄道亀の瀬隧道(右)
「竜田古道」
 竜田古道を歩きます。亀の瀬地すべり地帯を横断するような舗装の道は、あまり古道の雰囲気はありません。その中心部の峠(標高82m)に峠八幡神社があります。無人ですが鳥居、狛犬のある立派な神社です。竹藪を下っていくと三郷町立野に入ります。大和川堤防沿いから大正橋、関西本線第3大和川橋梁(土木遺産)が見えます。

峠八幡神社

大正橋
「明神山藤井ルート」
 大正橋を渡り藤井地区に向かいます。ルートを誤ってR25を南下してしまいました。明神山が行く手に見えますが丸い形ではありません。集落の中を歩きます。石垣、白壁、大きな瓦屋根の家が並び歴史的景観です。調べてみると昔、亀の瀬の水運を担っていた藤井問屋の末裔の住まいではないかと思われます。集落を過ぎると左手に藤井ルートと書かれた道標があり、プラスチック階段が登っています。時間も遅くなったので道路に腰かけてお昼としました。目の前が関西本線です。遠く見えるのは龍田山でしょうか。

藤井地区に入る

白壁の家
 階段の急登が始まります。関電巡視路のようなプラスチック階段は段差は小さいですが延々と続きます。周囲はコナラ、ヒサカキ、リョウブ、ソヨゴなどの自然林です。100段も登ったころから段数を数え始めました。470段でベンチのある最上部に到着しましたが、まだ緩い登りが続きます。登り終えたところは参道の近くです。参道を歩かず、並行する山道をしばらく歩きましたが、すぐに参道に合流しました。藤井ルートは標高差160m、1時間でした。内階段は470段/115m/45分です。参道は明神山4丁目から山頂まで続く舗装道路です。十分車が走れる幅ですが入口で車止めされているのでしょう。

藤井ルートは階段から始まる

階段終りにあるベンチ

参道分岐(直進参道、右明神山)
「明神山」
 舗装の参道を上っていきます。展望はありません。地元の方と思われるご老人連れ、若夫婦などが歩いています。定例の散歩道としている人もあるようです。小さな展望所につきました。北側が切り開かれ亀の瀬地すべり地帯が一望します。説明版には亀の瀬地すべり対策が書かれています。参道に合流してから15分ほどで明神山山頂(274m)に到着です。広場中央に水神社があり、周囲に展望デッキがあります。展望デッキからは360度の展望で、展望写真パネルから山名がわかります。十国国見台といわれたように、大阪市街地・あべのハルカス、亀の瀬地すべり地帯・信貴山・生駒山、奈良盆地(大和三山、若草山)、高見山、台高山地、大峰山系、金剛山等々快晴の空にくっきりとその姿を見ることができました。明石海峡や淡路島も見えるとありましたが霞んでわかりませんでした。展望デッキ上大阪に向かっては「悠久の鐘」があり恋人の聖地となっています。後で気付きましたが三角点を見落としました。自販機の横にあったようです。

明神山参道は舗装道路

参道の地すべり地帯展望所

明神山山頂直下

山頂を取り巻くような展望デッキ(360度展望)

水神社

亀の瀬地すべり地帯と信貴山・生駒山

大阪市街地

奈良盆地

悠久の鐘

金剛山方面
「河内堅上へ」
 しばし展望を楽しんでから、縦走路へ向かいます。展望デッキの間から階段道を下ると東屋があり、左(南)へ細い道が下っていきますがこちらではなくヤブに入るようにして小山を登っていきます。道標もないのでちょっと間違いやすいです。雑木林の中、明瞭な道が続いています。右側(北)の大和川へは断崖になっていますが展望はありません。香芝、関屋、明神山を示す道標のあるやや広い道に合流します。関屋方向に向かいます。関電鉄塔(御坊幹線#243)を過ぎてからしばらくで河内堅上駅方面への分岐がありました。関電の火の用心看板と藤井寺消防組合の火の用心看板#24があります。

左東屋の上の踏跡道に入る

三叉路香芝-関屋道に合流

河内堅上駅方面分岐

ヒノキ林を急降下
 ヒノキ林の急激な道を下っていきます。よく見ると落ち葉にプラスチック階段が埋まっており、関電巡視路です。一気に下りますがまた関電鉄塔(阪奈線#45)です。山上で関電送電線阪奈線と御坊幹線が交差するようです。あたりにたくさん咲く黄色の花はアオモジで、この時期生駒山系を飾ります。鉄塔からは笹藪の中の急降下ですがプラスチック階段を覆う落ち葉が滑ります。廃墟のような大きな建物の裏に出てきました。ここが登山口のようです。

阪奈線45番鉄塔

鉄塔から明神山を振り返る 黄色の花はアオモジ

階段下が国道R25

弁天橋

明神山を振り返る
車道に出てきました。大型ダンプが上がってきます。この先は行止りですが大起興産という会社の作業現場のようです。一段下るとR25です。大和川に架かる弁天橋を渡って、関西本線の踏切で往路に合流しました。これで一周したことになります。土木遺産の鉄橋群、日本遺産の亀の瀬と竜田古道、そして素晴らしい展望の明神山と有意義な山旅になりました。
関連ページ:亀の瀬と竜田古道を歩く 2022.4.15
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