作成2008.12.27 やまぼうし
東六甲 蓬莱峡・大谷
■日時:2008.12.13(土) 晴れ
     2008.12.21() 曇のち雨
■行先:東六甲 蓬莱峡・大谷
■場所:宝塚市/西宮市 2.5万地形図 宝塚
■同行:単独

ルートタイム

(1)宝塚駅・・・阪急バス・・・知るべ岩→座頭谷分岐→大谷(迷走)→県道82号→大谷乗越→小笠峠→エデンの園・・・阪急逆瀬川駅
(2)阪急逆瀬川駅・・・阪急バス・・・エデンの園0930→小笠峠1010→大谷乗越1030→大谷→知るべ岩1200・・・阪急バス・・・宝塚駅
Route Map
<その1>大谷迷走 2008.12.13(土) 晴れ
東六甲の蓬莱峡の座頭谷を遡行したことがあったが、もう一つの大谷も歩けることがミニコミ誌に紹介されていたのでトライする。結果は分岐を誤って迷走し失敗。もう一度逆からトライして成功する。一ヶ所危険な岩場はあるが座頭谷とは全く景観の違う堰堤また堰堤の谷歩きであった。
「知るべ岩」
 宝塚駅から蓬莱峡経由有馬温泉行きの阪急バスに乗って15分、知るべ岩下車。尼信の山荘の上流に架かる蓬莱峡堰堤(別名万里の長城)をわたって太多田川支流の座頭谷川の右岸を遡る。橋の上から眺めると、左手奥に東六甲の大平山が、その懐に向かうように堰堤の連続する川が見える。

知るべ岩の蓬莱峡堰堤

石積みの堰堤が続く座頭谷川
橋を渡ったところで左手の山すそに舗装道路が上っているが、流れに沿って歩く。背丈の低い雑木林の道からはところどころで河原に下りられる。かつてはキャンプや飯ごうすいさんなどで賑わった河原も今は静かで、壊れたトイレや廃屋となったバンガローが往時を偲ばせる。

座頭谷方面

兵庫県砂防事業発祥の地の案内板
舗装道路が合流してくる。枝道がたくさんあり、堰堤などで行き止まりになるので、左手の山すその広い道を歩くのが良い。兵庫県砂防事業発祥の地の案内板の少し先から右手に曲がると大谷川の小さな流れを渡り小さな広場に出る。ここから座頭谷と大谷に分かれる。大谷は左手の広い道をとる。

大谷川を渡り、左折は大谷、直進は座頭谷
「大谷迷走」
 大谷川の瀬音を聞きながら、左岸を遡る。大きな堰堤を過ぎて、次の堰堤でテープにつられて直進する(実はここを左手にとって堰堤の内側を対岸に渡るのが正解だった)。次の堰堤では河原に小屋が建っている。引き水や薪、トイレと思われる小屋も見える。今は無人だが、誰かが住みついているのか?下りるところもあったが、気持ち悪いのでそのまま直進する。

分岐点:大谷は左へ、直進は迷走の始まり

河原に掘立て小屋
道が怪しくなってきた。落葉でよく分からないが、崖の斜面に張り付くように踏跡が続いている。何回か行きつ戻りつして確かめながら進む。やがて谷筋から離れて急登する。堰堤を高巻いているにしては大谷からどんどん外れていき、おかしいと気づく。

怪しくなってきた道

迷走の林
やがて林の中に入り込む。踏跡は消え、見透かしても道は分からない。ザックを降ろしてGPSで位置確認する。辛うじて受信した電波で地形図と照合すると、大谷からはずれた標高380m地点で、この先の東側は沢に絶壁となって落ち込んでいる。上に向かって林を強行突破し県道に出るか思案の末、もどることにする。

絶壁の上から大谷を望む、向こうは岩原山

背丈を越える羊歯を泳ぐ
戻る途中で、のこぎりで雑木を伐採しながら登ってくる若者に出会う。どこかの山岳会のメンバーといった出で立ち。大谷を遡行する道は知らないが、このルートはかつて大谷乗越へ出る道であったという。ルート周辺のヒサカキなど邪魔な木を伐採しながら県道へ出るというのである。思い直して、若者についていくことにする。絶壁の上を辿り、身の丈を越える羊歯を掻き分け上へ上へ。途中、作業に忙しい若者と別れて一人県道に飛び出した。標高500m、カーブNo9のポイントであった。振り返ってみても県道側からの取り付きは全く分からない。

振り返ると琴鳴山(砕石場)と七曲がりの車道が

県道82号線 カーブNO9へ飛び出す
「大谷乗越」
 県道を大谷乗越へ歩く。六甲縦走路と交わるポイントの少し船坂寄りのガードレールに大谷と書いた小さな赤テープを発見する。遡行ルートはここへ出てくるのかと納得、リベンジを誓って、小笠峠経由エデンの園へ下る。

<その2>大谷を下る 2008.12.21(日) 曇のち雨
「大谷乗越」
 眠れぬ夜をすごした一週間後、大谷乗越から大谷を下って見ることにした。一番の目的は前回どこで道を誤ったかを確認するためである。エデンの園から逆瀬川を遡り小笠峠へ。県道を上り、六甲縦走路を過ぎて大谷乗越のポイント(標高520m)に到着。車道の上り100mで汗びっしょりである。

大谷乗越(手前を六甲縦走路が横断)

大谷の源頭部
「大谷へ」
 谷底に向かって一気に下る。結構広い岩ゴロ道が続いている。砂防堰堤に行き当たり、右から乗り越える。表に回ってみると4段の堰堤で、水がしたたり落ちている。ここが源流である。大谷第1堰堤と名づけよう。続いて第2堰堤を左の階段で越える。流れに巨岩が転がっている。踏跡が怪しくなるが、ところどころの赤テープが崖に沿って続いている。

第1堰堤

巨岩がゴロゴロ
目の前に崩れ落ちんばかりの岩峰が現れる。見上げればローソクのような奇岩がそそり立っている。崩壊した岩や小石がごろごろ転がるガレ場の斜面をそっと横切る。落石にやられたらいちころだ。

落石危険箇所をすり抜ける
左岸を下り、第3、第4、第5と小規模な堰堤を過ぎるとコンクリートも新しい第6堰堤である。乗り越えたところで左からの支流にかかる3段堰堤の一番下の段を渡る。ついで第8の堰堤が見えてくるが、その内側に2棟の小屋が立っている。無人だが、炊事場があり、マキが積み上げられ、藤棚まである。どんな人が住んでいるのであろうか。不気味である。

無人小屋(第8堰堤内側)

落差最大の第8堰堤
左の階段から堰堤を越えて下流に回ってみると、実に高さ10m以上もあるような大きな堰堤であった。右岸に渡る。第9を過ぎ自然石の第10堰堤はロープで下りる。またもや小屋がある。今度はシニア男女4人が周りを清掃中である。河原に降りて、一人の男性と話してみると、大阪のグループでここを遊びの拠点としているとのこと。奇特な方もいるものである。

キャンプ小屋(第11堰堤)

分岐点大谷は左へ、直進は迷走の始まり(第12堰堤)
第11堰堤を過ぎて第12堰堤の上流側を左岸に渡る。見覚えのある場所に出てきた。先日は、この堰堤をわたらず、テープにつられてそのまま左岸を直進してしまったのである。やっと今日の目的を一つ果たした。
「座頭谷へ」
 小雨が降りだす。早足で第13堰堤を越えて、座頭谷と大谷を分ける小広場に出る。源頭からここまで標高差300mの間に13個所もの堰堤が続く大谷であった。大谷川の小さな流れを渡り、案内板を左に見て山すその広い道を下る。この道は左へカーブして河原方向に向かうが、ヤブと化した広い道を直進すると5、6棟の廃屋となったバンガローが並んでおり、行き止まりとなっていた。

座頭谷にて山遊会の皆さんと
戻って河原に出る。傘をさして鍋を囲んでいる4人組シニア男女。丁度昼時、遠くから眺めている姿が物欲しそうに見えたのかも知れない。傘をさして一緒の仲間に入れてもらうことになった。鍋には、なつかしい「すいとん」が、ビールや焼酎を勧められる。きけば茨木の「山遊会」のメンバーで、今日は納会とのこと。初めての方々と1時間も楽しい思いをする。嬉しかったなあ、今日はなんとラッキーな日だろう。帰りの遅いのを心配して女房から電話。雨も上がったところで腰を上げる。焼き芋をお土産に知るべ岩バス停に急ぐ。Hさんご夫妻、Oさん、Iさんありがとうございました。よいお年をお迎えください。
関連ページ 蓬莱峡 座頭谷(2003.6.29)
        蓬莱峡・屏風岩(2009.3.30)

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